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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 191
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、中国のハンバーガー系ファストフードについてご紹介します。
他の国と同じように、中国でもマクドナルドとケンタッキーフライドチキン(KFC)が、ファストフードという概念を持ち込み、今でも業界をリードしています。多くのネット民は、マクドナルド派とKFC派に分かれて、どちらが美味しいかをいつも議論しています。
しかし、中国のファストフード状況は、他の国と異なっている点が3つあります。
ひとつは、マクドナルドとKFCが直接のライバルであるということです。マクドナルドでも人気のメニューはチキンサンドなど鶏系なのです。KFCもオリジナルチキンがいちばん人気ですが、次はチキンバーガーであり、どちらもハンバーガーを食べるところであり、直接のライバルになっています。
2つ目は、KFCの方が店舗数では圧倒的に多いということです。2023年8月現在、KFCが10040店舗、マクドナルドが5455店舗と2倍程度の差が開いています。これはKFCが地方市場にまで浸透しているのに対し、マクドナルドは大都市中心になっているからです。なぜ、このような戦略の違いが出るのか、これが今回の大きなテーマです。
3つ目は、国内系バーガーが脅威になっているということです。実は、ファストフードの店舗数で最も多いのは国内系のウォレスで、店舗数は1万6514店と、KFCの1.5倍もあるのです。ウォレスは地方市場に特化をし、低価格を売りにしています。さらに、タスティンも5445店とマクドナルドとほぼ同じ規模に急成長しています。タスティンは中華と洋食を融合したようなユニークな中華バーガーをウリにしていて、現在、バーガー界の台風の目になっています。
中国という市場を攻略するには、2つの方法があります。
1)大都市にのみ展開をする
2)地方市場にまで浸透する
大都市であれば、国際的な感覚がかなり通用するため、グローバル戦略のまま成功することも可能です。しかし、成功は限定的になります。一方、大きな成功をつかもうとすれば、KFCのように地方市場にまで浸透する必要があります。しかし、そのためには本土化と呼ばれるローカライズを丁寧にやっていかなければなりません。さらに、ウォレスやタスティンという中国の土着ブランドが立ち塞がります。土着ブランドなどというと、質の悪い低価格だと馬鹿にしてしまいそうですが、これがなんとも強敵なのです。
今回は、大都市にとどまるマクドナルドと、地方にまで浸透するKFCの戦略を比較し、中国市場で成功するには何が必要なのかを考えます。また、土着ブランドであるウォレスとタスティンがどのような強みを持っているのかについてもご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 191
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▼目次▼
KFCはなぜマクドナルドより多いのか。ますます熱くなる中国バーガー戦争
小米物語その110
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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KFCはなぜマクドナルドより多いのか。
ますます熱くなる中国バーガー戦争
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今回は、中国のファストフードチェーンついてご紹介します。
中国のファストフードは、世界の他の国と同じように、マクドナルドとケンタッキーフライドチキン(KFC)がリードをしています。メディア「DT財経」のアンケートによる人気調査によると、その後にバーガーキングが続き、蘭州ラーメン、沙県小喫と中華系ファストフードが続きます。
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