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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第635号(2023/8/27) 想定外に過度の楽観広がったが、すぐに正常化/8月分の米経済統計弱そうだが
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
9/9(土)ウェブ(11/150)
9/16(土)札幌(5/25)
9/23(土、祝)葛西(7/20)
9/30(土)高岡(5/25)
10/7(土)名古屋(6/25)
10/14(土)福岡(3/20)
10/21(土)浅草(16/20)(残席:4)
10/28(土)大阪(3/18)
ウェブセミナーを、9/9(土)に設定しました。ライブ(生中継)あるいは後日の録画視聴、並びにその両方が可能です。
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
☆過ぎし花~先週(8/21~8/25)の世界経済・市場を振り返って
<一時米国株式市況が過度の楽観に走ったが、幸いなことにすぐに正常化>
(まとめ)
先週は、米国株式市場で8/23(水)に、過度の楽観が広がり、主要な株価指数が上振れしました。そうした行き過ぎた楽観は、翌8/24(木)の日本市場でも、株価を押し上げる方向で働きました。
ただ、幸いなことに、米国市場では、8/24(木)の途中から投資家心理が冷静になり、同日の引けにかけて株価指数が値を崩しました。そのため8/25(金)の日本市場でも、株価の「正常化」が進みました。
週末(8/25,金)のパウエル議長の講演では、一時は追加利上げの可能性がある、という部分が悲観的に取り上げられた局面がありましたが、要は、やはり両側の「崖」の間は狭くて、金融政策の運営は難しく、経済の先行きは不透明で連銀として判断が難しい、という主旨だったと解釈します。
(詳細)
先週は、株式のみならず外貨・債券市場も、想定以上に上下に振れました。
特に8/23(水)は、市場心理の行き過ぎ(株価は楽観に振れ過ぎ)が目立ちました。
この日の材料としては、同日発表された8月分の企業心理を示すデータ(PMI、購買部担当者指数)が、欧米主要国で総じて弱かったことが挙げられます。
具体的には、ドイツでは製造業のPMIは7月の38.8から39.1に上昇しましたが、それ以外はドイツサービス部門は同じく52.3から47.3へ、英国の製造業は45.3から42.5へ、サービス部門は51.5から48.7へ、米国の製造業では49.0から47.0へ、サービス部門は52.3から51.0へと、ことごとく低下しました。
このため、世界的に景気が弱い、との観測が広がり、それが主要国の長期金利を押し下げて(たとえば米10年国債利回りは、先週央その前にピークで4.36%をつけていましたが、上記の諸統計を受けて一時4.19%に低下)、外貨市場では外貨安円高(米ドル円相場は、同様に1ドル146.30円近辺から144.60円近辺に下振れ)が進みました。
株式市場にとっては、本来は景気が悪い、というデータは株式の売り材料のはずですが、米株式市場は「景気が悪ければ金利が上がらないから、株式は買いだ」と、いいところ取りがぶり返し、この日はニューヨークダウ工業株指数は前日比で0.54%上昇しました。
これに加え、8/23(水)の引け後に5~7月期の決算を発表予定のエヌビディアについて、発表前から、好調な業績内容になるだろうとの期待が広がり、同社株のみならず、他の半導体関連株も買い上げられました。このため、ナスダック総合指数は前日比で1.59%、SOX指数(半導体株指数)は同2.11%それぞれ上昇し、前述のニューヨークダウを超える上昇率を遂げました。
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