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『 田中優の未来レポート 』
第290号/2023.8.30
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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放射性物質を含む水を海洋に流してはいけない
「汚染水」という呼び名と「処理水」という呼び名が併存している福島原発事故由来の排水。それが健康に害のないレベルにまで処理されていれば「処理水」なのだが、残念ながらそこまでの処理はされていない。つまり害のあるレベルの放射性物質を含んだ水なのだ。
しかしトリチウムは水素の一種なので、取り去ることができない、放射性同位体と言って、水を作る陽子一つと中性子一つが、陽子一つと中性子二つになってしまっているものだ。この一個余分な中性子は時間が経つとやがて、ベータ線を放出して陽子になる。
水の時は陽子一つだったから水素だったが、陽子が二つになって物質が変わる。水素からそれまで中性子だったものからベータ線を出して陽子になり、陽子が一つ増えて「 ヘリウム 」になる。体内で物質を構成する元素が「水素」から「ヘリウム」に変わってしまうこと自体が問題だが、その時に発する弱いとはいえ放射線であるベータ線自体が影響を及ぼす可能性がある。
そもそも物質というのは陽子と中性子の周りを電子がまわる形で構成されている。この陽子は電気的にプラスの力を持っていて、電気的にマイナスの力を持っている電子がその周囲を回転している。中性子というのは電気的に中性で、この陽子の数によって、物質名が決まっている。
その一つ目が水素で、陽子一つと中性子一つの周りを電子が一つ回る構図だ。ただし水素一つでは不安定なので、中性子二つの元素がくっついて気体として存在している(図1)。
図1
そこに無理や外から中性子が入り込んだのがトリチウムで、電気的に中性なので困難ではなく入り込んで比較的短期間でヘリウムとなって出ていく(図2)。
https://www.radi-edu.jp/2023/04/15/6676
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