■NISA、iDeCo以前のお金の話
どんなに有利な資産形成枠もお金がなければはじまらない。NISA
がどんなに素晴らしくても、iDeCoが所得控除まで得られる最高
の仕組みでも、入金するお金がなければその制度は意味がない。
何もしなければ、いつまでたっても資産残高はゼロのままだ。ゼロ
の残高をプラスにするには、口座開設をすることだ。そして毎月の
掛金を入金することだ。
まず、口座開設が重要だ。そして、最初の5000円を確保し、口座
引き落としさせることが必要だ。理由は、iDeCoの最低掛金額が
5000円だからだ。
ということは、NISAとiDeCoに入金するお金を仕事で稼いだり、
節約で確保するステップも、NISAやiDeCoの活用術ということだ。
まずはこの点から始めるべきだ。
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運用が「お金を上手に管理し増やしていくこと」だと考えれば、節
約もまた資産運用の一部だ。確実性では節約の方に分があるのだ。
マーケットは短期的には上下落する。
だから確実にプラスの運用成績を上げていくことは難しいのだ。ま
た、毎月1万円の節約は、投資口座に入金することで資産運用の原
資を増やしていく力にもなっていく。
もちろん、中長期的には運用に分がある。プラスのリターンになる
可能性が高いからだ。また、元手が大きくなれば、たとえ利回りが
小さくても、それなりの金額を稼げるようになる。
そのためには元手の確保が必要だ。コツコツ毎月積立を続ける必要
がある。その原資を確保するには、やはり節約だ。NISAとiDeCo
の第一歩は節約なのだ。そのための家計管理がするべきだ。
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資産運用でもっとも効率的な選択肢は共働きだ。今の時代、男性ひ
とりが年収1000万円を稼いで妻と家族を養うようなキャリア形成
は簡単ではない。
だが、正社員夫婦に子どもが生まれても、妻が離職せずに共働きを
続ければ、合計年収1000万円超は可能だ。正社員として社会人の
キャリアをスタートなら、女性もできるだけ長く続けることだ。
それは年収の維持だけではなく、退職金を2人分得ることや厚生年
金を2人分得ることにもつながる。それだけで「老後に2000万円」
以上の資産価値がある。
共働きを維持する最後のカギは、共家事・共育児だ。男性の家事育
児参加率が低いことが働く女性の負担を過重なものとしている。時
には女性のキャリアにマイナスの影響を及ぼしている。
男性が家事をすることや子どもの宿題を見てあげることが、NISA
やiDeCoの資産形成につながる。これは統計的にも明らかだ。こ
こ数十年、女性は仕事も家庭も頑張っているのだ。
特に「妻が会社員として稼ぎ続け、夫婦ともにiDeCoに月2.3万
円ないし1.2万円の拠出をする」というのが重要だ。これこそが
仕事と家庭とiDeCoが連動している部分なのだ。
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誰でも、今ガマンして未来に備えることは得意ではない。行動ファ
イナンスという学問でも、未来に向けて計画的に備えていくことは、
人間心理として難しいという結論が示されている
それでも、未来の不安を解消するためにお金を貯める必要がある。
この時、漠然とした不安を埋めるために、漠然とお金を貯めるので
は息が詰まるし、継続できなくなる。
そもそも、資産運用を始められない、続けられない理由は、貯めた
り増やしたりする目標や必要性が明確ではないからだ。しかも、今
のペースでお金が貯まるかが不明なままでは、不安は解消されない。
だから、何にお金が必要か、いつ必要か、いくら必要かの3つを具
体的にイメージすることだ。それこそが、NISAやiDeCoを活用し
て積立投資を続けていく原動力になるのだ。
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