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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年9月3日(日)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  なぜ政府はマイナンバーカードを強行するのか? サントリー社長の「納期」発言 「マイナンバーカード+保険証」一体化はG7で日本だけ -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  マイナンバーカードをめぐるゴタゴタが収まらない。来年秋に予定されている現行の保険証の廃止をめぐり、厚生労働省が出したコスト削減試算について、医療関係者から思わぬ指摘が飛び出した。  厚労省は保険証廃止によるコスト削減について、 (1)マイナ保険証の利用登録率が現状より進む場合 と、 (2)利用登録率が現状のままの場合 の二つのパターンに分けて試算。 利用登録率が65〜70%に達するとした上記(1)の場合、コスト削減額が100億〜108億円、利用登録率が現状の52%のままとした(2)では、同76億〜82億円とはじき出した。  これらは、24日の社会補償審議会医療保険部で示されたもの。しかしながら、全国保険医団体連合会(保団連)は25日、厚労省の試算について、以下のように検証している。 〈2021年度概算医療費は44兆2000億円となる。資格確認書等を発行・交付した場合の厚労省試算に基づく削減額(約100億円)は、医療給付全体のわずか0.023%に過ぎない〉  要は、マイナ保険証導入によるコスト削減額は0.023%ほどと、極めて乏しいのが実情だ。  保団連の竹田智雄副会長(竹田クリニック院長)は、日刊ゲンダイの取材に対し、次のように答えた。 <「保険証廃止によるコスト減は微々たるものです。さらに言えば、マイナ保険証を持たない人に交付される資格確認書について、保険者側が被るシステム管理や人手などのコスト増は考慮されていません。  そもそも、国民皆保険制度において、誰もが安心して保険証1枚で保険診療を受けられる環境を維持することは発行コストも含めて必要経費です。コストが減ればいいというものではないし、マイナ保険証への移行に伴う無保険者の続出やひも付けの誤りなどの懸念といったデメリットの方が大きい。  国民皆保険制度が揺らぐ事態です。やはり、保険証廃止は撤回してほしい」>(1)  それでも、なぜ政府はマイナンバーカード普及に邁進するのか。 目次 ・サントリー社長の「納期」発言 ・なぜマイナンバー制度に固執するのか ・「マイナンバーカード+保険証」一体化はG7で日本だけ ・サントリー社長の「納期」発言  政府の強行姿勢を示しているのが、経済同友会の代表幹事であるサントリーホールディングスの新浪剛史社長の発言だ。  新浪氏は6月28日におこなわれた経済同友会幹事としての記者会見の中で、 「マイナンバーカードについてはいろいろと不手際があったことはその通りだ」 としながらも、 <「絶対に後戻りせず、しっかり進めてほしい」 「ミスが起きたからやめよう、後戻りしようとやっていたら、世界から1周も2周も遅れていると言われる日本のデジタル社会化は、もう遅れを取り戻すことができなくなる」> と発言。さらに、

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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