ジーナ・レモンド米商務長官が訪中していた期間、筆者は北京にいた。目的は取材ではなかったので雰囲気しか分からなかったが、訪中が盛り上がったとか、米中関係に進展があったと感じられる事象はなかった。
何といっても日本が福島第一原子力発電所に貯まった「処理水」をついに排出したというニュースへの関心度が高過ぎて、レモンド長官訪中の話題はすっかり隅に追いやられてしまったのだ。
不思議なことは「処理水問題」と「レモンド訪中」はまったく別の話題なのに共通点があることだ。
それは議論がかみ合っていないことだ。
処理水の問題では、日本側が「排出する水のトリチウムの濃度が低いから安全だ」と主張を続けるの対し、中国は「きわめて汚染度の高い燃料デブリに触れた水と通常の発電で排出される水とは一緒にできない。トリチウム以外の核種が残っているのか、第三国を入れて検証すべき」と主張している。
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