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「世界経済・市場花だより」第636号 米国で経済指標弱く金利上昇懸念も表れ、虎と狼がすぐそこに/材料少なく、今週に限れば方向感薄いか

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
******************************* 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」  ******************************* 第636号(2023/9/3) 米国で経済指標弱く金利上昇懸念も表れ、虎と狼がすぐそこに/材料少なく、今週に限れば方向感薄いか この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。 ※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。 9/9(土)ウェブ(21/150) 9/16(土)札幌(5/25) 9/23(土、祝)葛西(8/20) 9/30(土)高岡(5/25) 10/7(土)名古屋(6/25) 10/14(土)福岡(3/20) 10/21(土)浅草(17/20)(残席:3) 10/28(土)大阪(5/18) ウェブセミナーは、ライブ(生中継)あるいは後日の録画視聴、並びにその両方が可能です。 セミナーのスケジュールは、 http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。 ☆過ぎし花~先週(8/28~9/1)の世界経済・市場を振り返って <米国の経済指標は弱く、それでいて週末にかけて米金利上昇懸念も膨らみ、前門の虎後門の狼はすぐ近くに、ただし特に日本株には過度の楽観が根強く残った> (まとめ) 先週は、発表された米経済指標について、一部強いものもありましたが総じて弱いものとなりました。それを受けて、雇用統計が発表された9/1(金)の途中までの米国市場では、総じて長期金利低下、米ドル安が素直に進みました。一方、米株式市場は、景気が弱いということは金利が下がることだから株は買いだとして、景気悪化が株安要因であることを軽視して、堅調に推移しました。 しかし9/1(金)の引けにかけては、一部米連銀高官の発言を受けて金利先高観が膨らみ(と言うより、市場が余りにも金利上昇の可能性を軽んじていたため、そうした過度の楽観の足元がすくわれて)、長期金利と米ドルが上振れし、米株価の重石ともなりました。 つまり米株式市場が、前門の虎(景気悪化)と後門の狼(金利上昇)は遠くに離れていると油断していたところ、虎や狼の息遣いを感じるほど近くにいた、という現実に、目を覚まされ始めた、と解釈しています。 日本の株式市場については、米国株価や米ドル相場がどうなろうと、日本の経済指標が指し示す内容が悪かろうと、日経平均やTOPIXが続伸していくという、一段の行き過ぎた楽観が支配的になりました。 (詳細) 先週の市場の主役は、米国の経済指標だったと考えます。総じて弱い内容となりました。 強いと解釈可能なものがなかったわけではなく、たとえば9/1(金)発表の8月のISM製造業指数は、7月の46.4から8月は47.6に上昇しました。ただし、景気の好悪の境目とされる50は下回り続けているため、この数字の解釈としては、「製造業の業況は悪化し続けているが、8月は悪化の速度がすこし衰えた」というものが妥当で、決して景気が強いという内容ではありません。 また他に強めだった指標としては、8/31(木)発表の7月の個人消費支出の前月比が、6月の0.5%増から0.8%増に伸びを高めました。いまだに米国の個人消費は「粘り腰」の強さを見せているものの、下に折れ曲がって悪化する展開がそう遠くない、と見込みます。その背景は、後の「盛りの花」で解説します。 一方、米国経済が弱めだと解釈できる指標を挙げると、8/29(火)に公表された求人数は、既に発表されていた6月分が958.2万件から916.5万件に下方修正され、さらに7月分は882.7万件に減少し、市場の事前予想の946.5万件を大きく下回りました。 また、同日発表の消費者信頼感指数(コンファレンスボード調べ)は、7月分が117.0から114.0に下方修正されたことに加え、8月分は106.1に下振れし、こちらも市場の事前予想の116.0より悪い数値となりました。 8/30(水)には4~6月のGDP統計の改定値が発表され、実質経済成長率(前期比年率ベース)は、当初発表の2.4%から2.1%に下方修正されました。 最も注目されていた8月の雇用統計は、9/1(金)に発表されました。失業率は7月の3.5%から3.8%に上昇(悪化)しました。

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