久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」
授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと
毎月第1-4 火曜日発行 vol.147 2023/9/5発行
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4 大人の放課後相談室
Q 仕事に人生を占領されている感覚からの抜け出し方
朝から晩まで仕事中心の生活をしています。私の処理能力が低いことが原因なのですが、いつも作業的な仕事に追われています。いろいろなことを考えたり、学んだりする余裕はなく、仕事を終わらせることで精一杯です。これが20代なら仕事に慣れや成長でカバーできるかもしれませんが、40代の転職1年目としてはあとがなく、焦燥感が募っています。どうしたら仕事だけに追われる生活から抜け出せるでしょうか?
(東京都/42歳/男性)
A 仕事をしながらパラレルで創意工夫をして楽しむ。瞑想的な自己実現の時間にする。
恥ずかしながら、日々、仕事に忙殺され、ルーティンワークに追われているのは、私も同じです。
30代で、私は家業の中小国産Tシャツメーカーの経営者になりましたが、副社長という名の集金・経理からシステム・新事業開発まで担当する雑用係になったからです。その後、社長になっても雑用は減らず、むしろ冠婚葬祭や地元の公職などやるべきことが増えました。
しかし、ルーティンワークだけをしていては、構造不況業種の典型である我が家業は存続できません。しかも、人財不足の上、多大な債務も抱えていたのです。自分がやらなくては誰もやってくれませんし、外部に頼む予算もありません。
そこで、社内の業務システム企画開発、CG・DTPシステムの導入とTシャツデザイン、インターネット通販子会社の設立とwebサイト製作など、なんでも自分でやらなくてはなりませんでした。
今思えば、まさに、仕事に人生を占領されている状況で、その後20年以上も突っ走ってきたのです。(今も大学で忙殺されていますが)
しかも、自分が選んだ仕事というより、長男として生まれたがゆえの宿命で就いた家業ですので「なぜ私がこんなに仕事をしなくてはならないのだ」と思ったこともありました。
そんなワーカホリックな実体験をもとに、ご参考になるかどうかわかりませんが、回答させていただきます。
■1 創意工夫をすることで仕事はホビーになる
幼少期に「ものぐさ信ちゃん」と呼ばれていた私は、もともとコツコツ仕事をするのが好きではありません。しかも、新入社員の時に、上司に「誰がやっても同じ結果が出る仕事はやりたくありません」と暴言を吐くほど生意気(今ではパワハラワード)だったのですから、手に負えません。
とは言え、人生は思い通りにはいかないものです。還暦になった今、思い返してみると、新入社員時代も、社長になってからも、常に仕事、それもやりたくない面倒な仕事に追われていたことに気づくのです。
まさに時間的にも精神的にも、さらには金銭的にも「自転車操業」状態。業種や地位が変わろうが、ザンネンながら、その大半はルーティンワークか雑用なのでありました。
だとしたら、人生の多くの時間を占めるルーティンワークと雑用の時間をなんとかしなくては、幸せな人生は送れませんし、自己実現もままなりません。
そこで、単純作業をこなしていながらも、創意工夫を常に心がけることが大切になります。
創意工夫1:定型業務を無くすか簡略化することを考え提案
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