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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 193
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、地攤経済(屋台経済)についてご紹介します。
中国に行くと、道端に物を並べて売っている人や、屋台を引いてちょっとした間食を売っている姿はあたりまえのように見かけます。しかし、当局は、このような屋台、露店というものを好ましく思っていないようです。特に2008年の北京五輪前は、取締りを強化したため、取り締まりをする城管(チャングワン)と屋台主の間でいさかいが絶えませんでした。
しかし、コロナ禍がすべてを変えました。大量の失業者が生まれてしまったため、中央政府は「フードデリバリー」「ライドシェア」「屋台」の3つを失業への最後の防波堤と位置付け、「人材貯水池」と呼び、一転して奨励する方向に転換をしました。厳しい取締りをしても根絶できないので、積極的に管理をして制御したいということもあったと思います。
これにより、屋台を始める人が増えていますが、どうしても知りたくなるのが、「屋台で食べていけるのか?」ということです。屋台経済は公式に認められたのが、ごく最近のことであるので、調査会社や証券会社の調査レポートもほとんどありません。
そこで、中国メディアの取材記事を集めて、標準的な屋台がどのくらい儲かっているのかを試算してみました。と言っても、複数のメディアの取材による記事を寄せ集めたもので、条件は大きく異なるため、統計的な意味はなさないと思います。それでも屋台の傾向はつかむことはできるので、あくまでも目安の数字とお考えください。
今回は、屋台経済についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 193
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▼目次▼
コロナ禍で日のあたる場所に出てきた屋台経済。屋台はどのくらい設けているのか?
小米物語その112
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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コロナ禍で日のあたる場所に出てきた屋台経済。
屋台はどのくらい設けているのか?
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今回は、今回は、屋台に関する地攤経済(屋台経済)についてご紹介します。
地攤(ディータン)とは屋台のことです。「vol.187:若年失業率21.3%の衝撃。副業に走る若者たちはどのくらい稼げているのか?」で、若年失業率が21.3%になったことをめぐる、国家統計局と経済評論家たちの論争についてお伝えしました。
ポイントを復習しておくと、
・若年失業率(調査失業率)は、調査方法が、多くの国の失業率とは異なっている。
・一般的な失業率は「仕事を探しているのに見つからない人の割合」だが、調査失業率は「調査時点に仕事をしていない人の割合」であり、7月期には大学進学予定者を失業者としてカウントしてしまう。
・雇用状況を見る指標ではなく、労働力の余力を見るための指標
というものでした。
しかし、なぜか、日本では「中国では若者の5人に1人が失業をしている。それだけでなく、専門家はほんとうの若年失業率は46.5%だと試算した」ということになっています。
この46.5%という数字を出したのは、北京大学国家発展研究院の張丹丹准教授です。国家統計局との議論の中で、「若年失業率は低く見積もられているかもしれない」という文章を発表し、若年失業率に対して新たな視点を提出しました。それはニート(Not in Education, Employment or Training)の存在です。学校にも通わず、仕事もしていない若者のことです。
張丹丹氏は、若年人口が9600万人であり、そのうち就業人口2570万人、失業人口630万人であることから、残りの非労働人口を算出しました。人口から就業者と失業者を引けば、労働に関与をしてない非労働人口が計算できます。
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