メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

COVID19

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室208.2023.9.10. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** COVID19  感染症を規定する3つの因子を考えてみました。おそらく、我々人類が感染症に対して抱く恐怖は、次の3つで規定されると思います。一つ目は、未知の感染症か、既知の感染症かです。だれしもが、未知のものに対しては恐怖を抱きます。感染症も然りです。二つ目は毒性です。毒性の強いものほど怖い感染症と言うことになります。3つ目は伝染力です。伝染力が弱いものよりも、伝染力が強い方が怖い感染症と言えると思います。では、それぞれについて、現在のCOVID-19はどうであるのか考えてみましょう。  まず、既知の感染症か未知の感染症かと言うことに関してですが、COVID19が発生した、2019年12月の時点では、全く未知の感染症だったわけです。しかしながら、もう3年以上経過し、COVID19の性質などもわかってきましたし、治療薬やワクチン等の開発も進みました。もう既知の感染症と言うことになり、それだけ恐怖は少なくなっているといえます。  人は誰しも死を迎えます。今後、未来に老化を防ぐ方法などが発見されれば別ですが、現時点で120歳を超えて生きることができません。老化があって体が弱ってくるからです。したがって、高齢者は老化により体が弱っているため、風邪をひいただけでも命に関わるようになります。これは自然の摂理です。高齢者が肺炎や何らかの感染症になり、死亡するのは致し方ないといえます。しかしながら、若年者は一般的に風邪引きや肺炎などでは命に関わるようになりませんし、そもそも肺炎等に罹患しません。高齢者はすぐに入院が必要になりますし、若年者は、めったなことでは入院などしないわけです。  どのような感染症が毒性が強く怖い感染症であるか、こう考えてみるとよくわかります。若年者でさえ、入院が必要になる感染症で、命に関わる感染症であれば怖いわけです。高齢者が入院が必要となる感染症は一般的な感染症であるといえます。入院患者の比率を見てみた時、第5波の終わりまで、すなわち2021年末までと、それ以降とでは全く入院患者が違っています。第5波までは入院患者に占める若年者の割合が圧倒的に多いわけです。それ以降はほぼ高齢者になっています。現時点のCOVID19は高齢者は重症化するが、若年者は重症化しない普通の一般的な感染症になったと言えます。  次に伝染力はどうでしょうか。一般的に感染症は、毒性は弱く、伝染力が強くなるように進化します。むしろ第5波の時よりも罹患する患者は増えておりますので、伝染力は少なくとも弱くなっていないと判断できます。この感染症を撲滅させることはもはや難しく、しばらくはwithコロナの時代が続くと思われます。  COVID19は感染症を規定する3つの内、2つはクリアされました。伝染力は衰えておらず、しばらくはwithコロナの時代が続くことを考えると、5類になったことは極めて妥当な判断であったと考えるわけです。 ***************************** ドクター畑地の診察室208.2023.9.10号 毎週日曜日お昼に配信予定です。 次号は2023.9.17.です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ***************************** ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください! ◆2023年08月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2023/08 2023/08/27 コンパニオン診断薬 2023/08/20 Be ambitious 2023/08/13 行動制限なき夏の先 2023/08/06 COPD

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • ドクター畑地の診察室
  • 現役呼吸器内科、総合内科専門医のメルマガです。世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信!
  • 220円 / 月(税込)
  • 毎週 日曜日(年末年始を除く)