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第84回 G20で見え始めた中国が対米・西側先進国外交から距離を置き始めたという傾向

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 インドネシアで開かれていたASEAN(東南アジア諸国連合)の一連の首脳会議(ASEANサミット)が7日に閉幕し、世界の注目は次にインドで開催されるG20サミット(主要20か国の首脳会議)へと移った。  日本のメディアは例によってASEANサミットを「南シナ海やウクライナ情勢などをめぐる大国間の意見の隔たりは埋まらず課題を残した」とマイナスのトーンで総括したのだが果たしてそういう話だったのだろうか。  少なくともASEAN側は「ウクライナ情勢で各国の溝を埋めること」がメインテーマだったとは発信していない。南シナ海問題で性急な進展を求めていたわけでもない。彼らが中心に据えたのはあくまでも「成長の中心」であり、経済だった。 ゆえに「難しい工程」だったが、「EAS(東アジア)首脳による『成長の中心』に関する共同声明で合意に至った」ことを、主催国・インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は成果として誇ったのである。  興味深かったのはジョコ大統領が最終日に「(世界には)安住の地が必要です。ASEANはその役割を果たすべく順調に進んでいいます」と、対立への嫌悪をあらためてはっきり示したことだ。

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