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【Vol.499】冷泉彰彦のプリンストン通信『911より22年のアメリカ』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「大盛りあがりの『VIVANT』、2つの不満?」  TBSのドラマ『VIVANT』が大盛り上がりです。尺が長いので、もう少 し人物の描写や、心理の変化などヒューマンドラマ的な味付けを期待したい ところですが、伏線と回収、徹底的なストーリーのツイストなど、まるでR PG的なハラハラドキドキに特化して押しまくろうというのは、姿勢として ある意味潔いとも言えます。  そうではあるのですが、多少、設定に注文をしておきたいのも事実です。 ファンの皆さまのお叱りを受けるかもしれませんが、2点ほどメモって置く ことをお許しください。 1)主人公の乃木はコロンビア大学院に在籍していた際に、911テロに遭 遇して、防衛に目覚めたとしています。ですが、コロンビアというのは、ベ トナム反戦運動の一大拠点であった歴史があり、911の際にも基本的に学 内世論は報復戦争に反対でした。ですから、ちょっと不自然です。 2)出てくるのが立派な日本人(とバルカ人)ばかりでちょっと違和感があ ります。普通の日本人ぽいのは西岡(檀れい)、長野(小日向文世)、佐野 (坂東彌十郎)ぐらいで、後はスーパーな人たちばかりなのですが・・・  そう思って見ていたのですが、もしかしたら、考察班的な発想法をしてみ ると、全く話が違ってくるかもしれません。 1)は、まず乃木の説明がウソで、もっとずっと早くから自分の出自に気づ いて、諜報とか軍事に興味があったのかもしれませんね。 2)はもっと深刻で、この3人が真の敵、つまり「表の日本のエスタブリッ シュメント」であり、公安、外務省、財界が一緒になって、早いうちからバ ルカの鉱物資源の独占を狙っていた、そのために内戦の黒幕でもあった、こ れに気づいた乃木卓は、排除された・・・というドンデン返しになるかもし れません。  そうなると、最後は「テント+別班」対「公安、外務省、財界、バルカ現 政権」の壮絶な戦いになるとか・・・もしかしてワニズ、西岡は助からず、 長野と佐野も破滅・・・野崎、新庄は隠れ別班、黒須も乃木の協力者、チン ギスも大活躍・・・いけませんね。どうしても考察班的な発想になってしま います。罪なドラマです。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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