FRBのハト派傾斜は何をもたらすか
米国経済が予想を超える高成長を続けていることを認めながら、それでもFRBが利上げに慎重な姿勢を見せていることは紹介した通りです。市場もこれを受けて9月のFOMCでは9割以上の人が金利据え置きを予想しています。想定外の高成長を続ける中でもFRBが利上げに慎重姿勢を続けると、米国経済に何が起きるのか、考えてみましょう。
「市場もFRBの意向を織り込みに」
米国が想定外の高成長を続けていることはパウエル議長がジャクソンホールで紹介した通りで、4-6月のGDPは年率2.1%成長に下方改定されましたが、それでも1-3月の2.0%成長に続いてトレンド成長率(1.8%程度)を上回っています。さらにアトランタ連銀の「GDPナウ」は7-9月のGDPを年率5.6%と推計しています。
トレンド成長率を上回る高成長が続けば、需給がタイトになり、インフレ圧力になることは当局も認め、追加利上げを正当化する可能性を認めています。それでも議長は利上げには慎重姿勢を示し、ほかの幹部も金利はすでにピークに近いと述べています。こうした当局の情報提供の成果か、市場は9割以上が9月の金利据え置きを予想、11月に約5割が25bpの利上げを織り込む程度です。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)