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第312号. 妻が受給する場合とは違う夫の遺族年金の性質と役割。

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座
こんばんは! 年金アドバイザーのhirokiです。 ーーーーー 1.男性が受給する場合の遺族年金は制約が厳しい ーーーーー 世間では遺族年金を受給するのは女性というイメージが強いものですが、確かに男性が遺族年金を受給してるケースというのはあまり見かけるものではありません。 要因の一つとして、男性が遺族厚生年金を受給する場合は少なくとも60歳以上の人でなければ受給できないからです(女性は年齢制限は無し)。 さらに平成26年3月31日までの年金法では、国民年金から支給される遺族基礎年金は男性は受給する資格はありませんでした。 なので男性が受給する年金とすれば遺族厚生年金のみでした。 60歳から受給できるとはいえ、その頃には男性自身の老齢厚生年金が受給できるようになる年齢でありますが、読者の皆様も大抵はもうご存知かと思いますけども、60歳から65歳までの年金というのは複数の種類の年金受給権があっても一番有利な方を選択するしかありませんでした。 そうすると遺族厚生年金が受給できても、男性自身の老齢厚生年金が多いのなら老齢を選択するケースが多く、結局は遺族厚生年金は受給しないという事になっていました。 男性が遺族厚生年金を受給するというのはほとんどが妻が死亡した場合ですが、どうしても過去の給与はまだまだ女性の方が男性より低い事が多いから、遺族厚生年金が発生しても金額的に低額となってしまい、結局は男性自身の老齢厚生年金を貰った方がいいよねっていう事になっていました。 よって、男性が遺族年金を受給するケースというのはほぼ見かける事はありませんでした。 受給する権利はあるけども、自分自身の老齢厚生年金を選択してるがために停止されてるという形をよく見かけたものです。 更に夫が妻死亡による遺族厚生年金を受給する場合は55歳以上でなければならないという制約もあり(実際の支給は前述した60歳から)、55歳未満の時に妻が死亡したりすると遺族厚生年金そのものが発生しませんでした。 遺族給付が出るとすれば、国民年金から掛け捨て防止の死亡一時金が出る程度でした。 なお、55歳以上の時に妻が死亡した場合に、夫が60歳になったら支給開始ですよという制約は、一般的にはまだ男性は働いてる最中であり、60歳の定年までは働くからそこまでは遺族厚生年金を停止しとこうという考えからです。 また、男性は40代前後なんていうのは大抵は働いてるものだから、妻が死亡しても遺族厚生年金は必要ないと考えられたから55歳未満は年金受給権を発生させないのでしょう。 女性の場合はどうしても男女格差が解消されてなくて、給与が低くなりがちである事、非正規雇用の割合が高い事(妊娠出産子育てからまた再就職しようとしてもなかなか厳しい)、中年になってしまうと再就職が非常に厳しくなる事などの面があるので妻に関してはそういう制限は付けていないと考えられます。 このように男性が遺族年金を受給するのは厳しいものですが、平成26年4月1日からは国民年金からの遺族基礎年金が男性にも受給可能となる改正が行われました。 遺族基礎年金は元々は「子のある妻」もしくは「子」のみが貰う権利が発生しましたが、平成26年4月1日からは「子のある妻」→「子のある配偶者」となりました。

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