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高野孟のTHE JOURNAL Vol.618 2023.9.18
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1224》
骨格に触れると壊れてしまう「おっかなびっくり」の岸
田人事/これじゃあ当分解散などできるわけがない
【2】《CONFAB No.584》
閑中忙話(9月10日~16日)
【3】《FLASH No.532》
中国側の「暫停」の文字を日本政府はあえて無視したの
か/日刊ゲンダイ9月14日付「永田町の裏を読む」から
転載
■■ INSIDER No.1224 23/09/18 ■■■■■■■■■
骨格に触れると壊れてしまう「おっかなびっくり」の岸
田人事/これじゃあ当分解散などできるわけがない
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岸田文雄首相にとってこの時期の党・内閣改造人事
は、1年後に迫った自民党総裁戦で(願わくば無投票の
形で)再選を果たすための「出陣式」でなければならな
かった。そのためには、主要閣僚はじめ顔ぶれを大胆に
入れ替えて清新感を演出し、内閣支持率がジリジリと下
がる傾向を反転させ、その勢いで最も効果的なタイミン
グで解散・総選挙を打てるフリーハンドを確保すること
が必要だった。が、そのような思惑はことごとく外れ、
逆に、このままダラダラと政権の「死に体」化が進み、
解散権行使も封じられたまま1年が過ぎ、総裁再選も断
念せざるを得なくなる公算が大きくなった。
●窮屈極まりない人事
閣僚19人のうち13人を入れ替え、そのうち初入閣が11
人もおり、さらに女性が留任を含め過去最高の5人とな
るなど外形的には「大幅改造」なのだが、それでいて清
新さを全くと言っていいほど感じさせないのは、党も内
閣も骨格となる部分に手を着けていないからである。
麻生太郎副総裁は、もはや「老害」以外の何者でもな
いけれども、「安倍亜流政権」に徹することを覚悟した
岸田にとっては、21年春に麻生と安倍晋三元首相が語ら
って「台湾有事は日本有事」という政府・与党の情勢認
識の基調を設営した張本人を動かすわけにはいかない。
茂木敏充幹事長は、党内はもちろん茂木派内でも嫌わ
れ者で、「外せ」という声があちこちから寄せられたよ
うだが、岸田から見れば自分の再選の妨げになる最大の
ライバル候補なので、政権を支える幹事長のポストに封
じ込めておく方が安全。そこで岸田は、留任させるから
来年総裁選に出馬せず自分の再選に協力してくれるよう
暗に持ちかけたが、そんなことを野心満々の茂木が受け
るはずがない。そこで派内に手を突っ込む形で小渕優子
を選対委員長に抜擢し茂木への牽制とするという小賢し
い手段を採った。
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