夏場に一旦はクールダウンした先進各国のインフレ。
「元も子もない」くらい単純化して分りやすく説明すれば、2023
年夏までの先進国内の「インフレの沈静化」は、原油やガソリンな
どのエネルギー価格が急激に下落したことが大きく影響していま
す。
ところが、ところが!!!
この夏の終わりから、原油価格と一部のコモディティー価格が再
び急上昇しはじめます。この秋以降の先進各国のインフレ率が再
び再加速する懸念が高まっています。
原油価格の急上昇は、OPECプラスでサウジアラビアとロシアが
協調減産していることが大きく響いています。
以前ならば、ロシアが先進国側に意地悪をして大幅減産を始めれ
ば、親米派でスィングプロデューサーとしてのサウジアラビアが
急遽増産して、先進国経済を助けてくれていました。
ところが、そのサウジアラビアが親米でスィングプロデューサー
であったのは、「今は昔」のこと。
今のサウジアラビアは、ロシアや中国へ急接近しています。
サウジアラビアは、8月24日、中国、ロシア、インドなど新興5
か国でつくるBRICSに、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、
イラン、UAE(=アラブ首長国連邦)と共に加盟しました。
新BRICSの誕生です。
この8月24日以降、原油価格は急上昇しています。
ロシア・中国を筆頭に、OPECプラスと新BRICSが結託して、
「インフレを収束しようと懸命になっている先進国経済」へ逆襲
しているわけです。
一方、コモディティー価格もロシア・ウクライナ戦争の影響もさ
ることながら、ここのところの異常気象で急速に上昇しています。
「原油価格と食料品価格の再度の急上昇」という暗い影は、アメ
リカ国内のみならず、この日本でもヨーロッパでも始まっていま
す。アメリカのみならず、日本やヨーロッパでもインフレが高止
まりする傾向は続くことでしょう。
長期金利は急上昇して、「ドル安トレンド」が始まり、内外の株式
市場は調整することでしょう。
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