中国に「恐慌」起こりうる
大卒者の4割が就職できず
過小消費が襲うリスクは大
習近平は「呪縛」解けるか
中国経済は、危ない橋を渡っている。IMF(国際通貨基金)のゲオルギエワ専務理事は9月15日、中国経済に関する審査(4条協議)で、国内消費の喚起、不動産部門への対応、地方政府の債務抑制が必要との認識を中国側に示すとロイターに語った。その上で、債務を原動力にしたインフラ投資と、不動産をテコとする経済成長モデルを転換し、国内消費を重視する必要があると強く訴える方針だ。
このIMF提案は、中国側に受け入れられるだろうか。率直に言って、その可能性はゼロである。中国は、マルクス主義に依拠しており、IMFとは別次元の判断に従っているからだ。異次元同士で議論するようなもので、言いっ放し聞きっぱなしに終わるだろう。
中国は、生産力を拡大し国有企業主体の生産構造を維持すれば、すべての問題が解決できると判断している。イデオロギー(マルクス)に依拠している結果だ。現実課題として、中国では個人消費の不振が起っている。習近平国家主席は、これに対して消費刺激を「福祉主義」として拒否している。習氏は、生産力強化だけを強調し消費動向を重視していないのだ。なぜ、こういう事態が起っているのか。これには、次のような背景がある。
中国に「恐慌」起こりうる
習氏は、毛沢東を最も尊敬している。できれば、その毛沢東を超えたい。それには、台湾統一へという論理になる。台湾を軍事統一するためには、供給力を拡大し続けなければならない。ここで習氏は、マルクスの考え方と奇妙に一致する。生産力=軍事力であるからだ。
少し堅苦しい話になって恐縮だが、今少しご辛抱をお願いしたい。マルクスは資本主義経済に固有の問題として、「恐慌」を取り上げている。つまり、生産拡大と過小消費によって経済がバランスを崩して恐慌状態にいたるとした。具体的には、信用制度の崩壊、企業・銀行倒産、失業者の増大などだ。
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