9月19~20日のFOMCで、パウエルFRBは「3~4%の高
めのインフレを容認する政策」へ向かって、第一歩を踏み出しました。
この日のパウエルFRBは政策金利を据え置き、FRBの利上げはこ
れでほぼ終了。その一方で、議長は「2%インフレ目標の達成には
長い道のりがある」とし、事実上「2%インフレ目標の棚上げ」を
匂わせました。
そして、ここが最も重要なことですが、この日発表されたドット
プロットでは「2024年以降の利下げ」については「先延ばし」
が発表されました!!!
この日を境に、アメリカの長期金利は勢いよく上昇を開始、アメ
リカ株式市場は本格的に調整局面入りしました。
一方、為替市場ではなかなか「ドル安トレンド」が始まりません。
引き締めをほぼ終了してインフレを容認し始めている国の通貨
(ドル)とこれからインフレと闘おうと引き締めを模索し始めて
いる国の通貨(円)とを比べれば、インフレを容認し始めている国
の通貨のほうが安くなるのが自然なのですが、「ドル安トレンド」
への反転がなかなか始らないのです。
19日には、イエレン財務長官は「日本財務省による為替介入」に
ついて「状況次第」と理解を示しました。
翌20日には日本財務省の神田財務官も「海外通貨当局、とりわ
け米国とは日ごろから極めて緊密に意思疎通を図っている」と表
明、為替介入の可能性を幾度も強く匂わせました。
国際通貨マフィアの間では、今の日本経済に対しては「円高」が強
く求められていても不思議ではないのです。
折りしも21日、国際決済銀行(BIS)は、「長引く円安で今年8
月の円の実質実効為替レートは、過去最低だった1970年8月の
水準を下まわった」と発表。これは、「1ドル=360円の固定相場
制」だった時代よりも今の円の価値が相対的に「割安」に
なったと言う意味です。
9月21~22日の日銀政策決定会合では、植田日銀は市場予想
よりもタカ派的な発言を行なう可能性があります。
もしそうでなければ、週明けにも日本財務省による「単独の為替
介入」が行なわれるでしょう。あるいは日米の「協調介入」が行
なわれる可能性さえあります。協調介入ならばヨーロッパ諸国も
加わるかも知れません。
さらに、国債通貨マフィアからの強い要請で、「円高トレンド」を
演出するために、岸田政権が「秋の補正予算で想定外に大型の財
政刺激策」を発動する可能性もあります。
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