▼ 第38号
2023/9/22
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有田芳生の「酔醒漫録」
*毎週金曜日発行*
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◆目次
1・「評言独語」──「横田めぐみさん奪還交渉記録」の意味(下)
2・「酔醒漫録」──9月15日〜9月21日
(『貧乏まんが』、維新政治の核心、ホロコーストの証言者、『福田村事件』など)
★発売中の有田芳生著書★
・『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店 2022/9/21発売)
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b610995.html
・『北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実』(集英社新書 2022/6/17発売)
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721217-4
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1・「評言独語」──「横田めぐみさん奪還交渉記録」の意味(下)
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▼9月17日で小泉訪朝から21年になった。北朝鮮が拉致を公式に認め「5人生存、8人死亡」としてから、ただのひとりの帰国も実現できなかった21年の「空白」の時間。昨20年の節目にはテレビや新聞報道も大きかったが、1年も過ぎれば、そうでもない。とくに動きがないからでもある。目立ったところでは『朝日新聞』が16日に田中均さん、20日に斎木昭隆さん、朝日新聞デジタルに蓮池薫さんのインタビュー記事を掲載していることだ。田中さんは「北朝鮮問題 中国とも交渉を」と外交手法を提案している。飯島勲文書との関係で重要なのは、ここだ。〈1990年代前半に中断した国交正常化交渉は2000年に再開したが、北朝鮮外務省は「拉致問題は存在しない」という建前に終始した。前任の槙田邦彦アジア大洋州局長は北朝鮮側と接触を続け、公安関係者と称する者が初めて協議に出てきた。その人物が私の交渉相手になった〉。
〈──交渉相手は田中さんに本名を明かさず、日本政府内で「ミスターX」と呼ばれました。秘密警察の国家安全保衛部(現・国家保衛省)の柳敬(リュギョン)副部長だったと言われています。秘密交渉は01年秋に中国の大連のホテルで始まり、約1年続きました。相手は当時の北朝鮮最高意思決定機関である国防委員会の「参事室長」と自己紹介していました。本当に保衛部の副部長だったのか、確信はありません。北朝鮮の交渉相手は偽名と適当な肩書を示してくることが多いですから。ただ、交渉を進めるためには、その相手が誰なのかということにあまり意味はありません。当時で言えばトップの金正日総書記に直接、つながっているかどうかが重要です〉。
▼日朝交渉の相手は(1)北朝鮮のトップとつながっていることを大前提に、(2)「公安関係者」(軍と警察)でなければならない、ということだ。具体的にいえば……
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