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石川 温の「スマホ業界新聞」
2023/09/23(vol.533)
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2023年9月19日、ソフトバンクがネットワーク品質向上に向けた取り組みを説明した。かつては「海外でつながるが、国内は圏外」と揶揄され、ドコモユーザーから「iPhoneは欲しいけど、ソフトバンクにしたくないから、NTTドコモからiPhoneが出るまで待つ」と散々、言われるほど、ネットワークがイマイチだったソフトバンクであったが、いまではOpenSignalの評価でナンバーワンを獲るほどまでに高品質になっている。今回のメルマガは特別に、3つの観点で、ソフトバンクでの説明と、それに関連することを解説していきたい。
《目次》
1.ソフトバンクにあって、NTTドコモにはないもの
----「Massive MIMOはある程度、効果が出ている」
2. ネットワーク品質維持には「4Gと5Gのミックス」が肝
----「なんちゃって5G」から「真の5G」へ
3.ネットワーク品質向上に飛び道具なし
----ビッグデータを元に地道に汗水垂らす
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.ソフトバンクにあって、NTTドコモにはないもの
----「Massive MIMOはある程度、効果が出ている」
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この春ぐらいからNTTドコモのネットワーク品質が落ちているといわれ、同社では改善策について説明を行ってきた。そのなかで、「Massive MIMOは検討している段階」という回答が話題を呼んだ。
なぜなら、ソフトバンクは4G時代から「5G技術を先取り」といいながら、Massive MIMOを導入し、ネットワークの安定性向上を図ってきたからだ。
なぜ、NTTドコモのネットワーク品質が落ち、ソフトバンクのネットワークは安定しているのか。そのひとつの答えが「Massive MIMO」かと思われたのだ。
そんななか、ソフトバンクの関和智弘CNO(チーフ・ネットワーク・オフィサー)は「突出した効果が出ているかは分析できていないが、効果はある程度出ていると考えている」と、やや控えめなコメントであった。
確かに、エリクソンが出している資料を見ても、日本のおけるMassive MIMOの導入率は、韓国や中国と比べても極端に低かったりする。本来、ソフトバンクでもMassive MIMOを積極的に導入しているかと思いきや、必ずしもそうではないようなのだ。
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