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vol.58「一流に学ぶ、成功のために必要なこととは? ~バスケ・富樫選手のバスケへの向き合い方~」

小松成美の伝え方の教科書-ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術
「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」 vol.58「一流に学ぶ、成功のために必要なこととは? 〜バスケ・富樫選手のバスケへの向き合い方〜」 【今週の目次】 ============== 1. 成美のつぶやき └ 日本中に衝撃を与えたある歌手 2. 一流に学ぶ、成功のために必要なこととは? 〜バスケ・富樫選手のバスケへの向き合い方〜 └ 長かったオリンピックへの道のり └馬場選手が遅刻しないのは富樫選手のおかげ!? └八村選手、ニック選手が日本のバスケにもたらしたもの └いい試合でも、あまり振り返らない └自分が「正しい」と思った道を行く。運命的なアメリカ留学。 └アメリカ留学で得たものとは? └日本での試練。そして、運命のチームとの出会い └初めての怪我で逃した2019年のワールドカップ └肉体の可能性を自ら開拓する楽しさ 3. 小松成美の心に残る、あのフレーズ 4. お知らせ ============== 1. 成美のつぶやき 日本中に衝撃を与えたある歌手 Adoというアーティストをご存知でしょうか。 はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ あなたが思うより健康です 一切合切凡庸な あなたじゃ分からないかもね 2020年、この「うっせぇわ」という楽曲でメジャーデビューした17歳の少女は、インパクトある歌詞とダイナミックな歌唱で日本中に衝撃を与え、瞬く間にZ世代、α世代の心を鷲掴みにしてしまいました。 ボーカロイド・シンガーとしてインターネットの中で歌っていたアマチュア時代を過ごした彼女は、プロになると、コンサートも行い、ステージにも立ちました。 そんなAdoが、映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌「新時代」を歌い、日本の楽曲として初めて世界で最も再生されている曲のデイリーチャート「トップ100:グローバル」の1位にランクインしたのは、彼女が21歳になる1ヶ月前の2022年の9月のことでした。 テレビや雑誌には一切顔を出さないAdoは、自身のファンクラブやYouTube、ラジオ(ニッポン放送オールナイトニッポン)、SNSでファンと繋がり、2023年6月から自身最大規模となる初の全国ホール&アリーナツアー、Ado全国ツアー2023「マーズ」を開催したのです。 2023年9月17日、その最終公演となる横浜アリーナでのライブへ行ってきました。ど迫力で最高の歌声を響かせますが、その姿はシルエットとなり、顔は見えません。特別な照明とマスクで全体のシルエット以外は見えないようになっています。 とてつもない声量と完璧な音程、キレッキレのダンスと自己肯定感ゼロで陰キャ丸出しのMC。予測不能なキャラクターは、可愛らしく、同時に近寄り難い迫力があり、この世のものとは思えない魅力があります。 今、私は彼女の生涯を追いかけています。ここで、知られざるAdoのプロフィールを皆さんにだけ少しお知らせしましょう。 2002年10月24日、Adoは東京都練馬区に生まれました。 小学校入学と同時に父のパソコンでYouTubeを観るようになり、初音ミクと出会います。 11歳の時に、ニンテンドー3DSでニコニコ動画と出会い、ボカロPと歌い手の魅力に打ちのめされました。 ※「ボカロP」の「ボカロ」とは、ボーカロイドの略で音声合成ソフトのことです。人間の肉声を録音したデータを組み合わせることで、メロディーと歌詞を打ち込めば自動で歌ってくれるもので、このボーカロイドソフトを用いて楽曲を制作してリリースする人を「ボカロP」といいます。「ボカロP」の「P」はプロデューサーを意味しますが、「ボカロP」の場合は「ボカロ」をプロデュースする仕事ではなく、あくまでもボカロ曲を作編曲し、発表する人のことを指す言葉です。 14歳になると、Adoはパソコンにマイクを取り付け、歌い始めます。宅録した曲をニコニコ動画に初投稿するのです。 この頃にハンドルネームを今のAdoにします。 Adoという名前は、小学生の時、国語の授業で聞いた狂言の「シテ」に対する「アド」が由来だそうです。主役のシテを支える脇役がアドと知り、曲を聴いてくれる人(主役)に代わって戦う存在(脇役)、という意味を込めて、そう名乗ることにしました。 高校生になったAdoは、ボーカロイドの世界でファンを増やしていきました。 圧倒的な歌の上手さはプロの目に留まり、ついにスカウトを受けます。2020年10月23日、17歳最後の日に「うっせぇわ」でユニバーサル ミュージック ジャパンよりメジャーデビューを果たすのです。 19歳で日本レコード大賞「特別功労賞」受賞し、オリコン年間ランキング2021「アーティスト別セールス部門新人ランキング」で1位を獲得します。 フィジカルリリース(本人は登場しない)を続けていたAdoでしたが、2022年4月、ついに念願のZepp DiverCityにて初ライブ「喜劇」を行います。 ※フィジカルリリースとは、実物のCDやDVD、レコード盤、カセットテープなどの記録媒体での販売を意味します。 そして、彼女にとって夢の舞台だったさいたまスーパーアリーナにて2022年8月11日、2ndライブ「カンパネラ」を敢行します。 2022年10月24日、20歳の誕生日に世界的に有名なアメリカのゲフィン・レコードとの提携を発表し、世界を舞台として活動することを宣言したAdo。 世界に向けフルスロットルで駆け抜けるために行った今回の全国ツアー2023「マーズ」のステージを目の当たりにした私は、言葉にはし難い幸福感に浸っていました。 だって、Adoの歌と生きていけるのですから。その一つの事実が、私の心に新風を吹き込んでいました。 YOSHIKIやGReeeeN、浜崎あゆみといったアーティストを文章で描くことは容易くはありませんでした。もちろんAdoを活字で描くことを今は想像ができません。けれど、令和の日本に誕生した彼女のストーリーを多くの方に伝えたいという思いで胸がいっぱいになることも事実です。

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  • これまでノンフィクション作家として、たくさんのトップアスリートやトップ経営者の唯一無二の「人生」を取材してきました。その経験をもとに、書籍だけでは書ききれなかった小松成美流のコミュニケーション方法や独自哲学を伝えていきたいと思います。経営に、スポーツに、文化に。多岐に渡って、学びあるコラムを配信して参ります。誰もが発信者となる時代に、是非ご参加ください。
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