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「世界経済・市場花だより」第639号 積み上がり続ける悪材料に、少しだけ株価が沿い始めた/大きな流れは株価調整継続

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
******************************* 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」  ******************************* 第639号(2023/9/24) 積み上がり続ける悪材料に、少しだけ株価が沿い始めた/大きな流れは株価調整継続 この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。 ※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。 9/30(土)高岡(6/25) 10/7(土)名古屋(6/25) 10/14(土)福岡(3/20) 10/21(土)浅草(18/20)(残席:2) 10/28(土)大阪(5/18) セミナーのスケジュールは、 http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。 ☆過ぎし花~先週(9/18~9/22)の世界経済・市場を振り返って <先週も株価の悪材料が積み上がり続けた、ただし想定外の要因というより、以前からあったもので、これまで悪材料を無視し続けてきた日米等の株式市場も、とうとう実体悪を反映した株安に進み「始めた」> (まとめ) 先週は、特に米国株式市場において、これまでに続いて悪材料が積み上がり続け、ずっとそうした株価下落要因を軽視してきた内外株式市場も、ようやく「まともに」実体悪を反映して、軟化方向に株価が進み「始めました」。 FOMC(連邦公開市場委員会)がタカ派的だったから米株価が下落した、との声はありますが、それほど利上げに前向き(あるいは利下げに後ろ向き)だったとは思えません。FOMCは当たり前の内容だったが、市場が余りにも楽観過ぎてきたため、そうした浮かれ過ぎに軽く冷水が浴びせられた程度であり、勝手に市場がうろたえた、と解釈すべきでしょう。そうした市場の勝手なうろたえは、まだ続くでしょう。 (詳細) 前号の当メールマガジンの「盛りの花」で、「底流では株価の悪材料が積み上がっている、問題は市場の「無視」がどこまで続くか」というタイトルで解説しましたが、先週もさらに悪材料が積み上がり、日米等の株式市場は、さすがに無視できなくなり始めています(まだ「なり始めている」ところなので、先行き一段と無視できなくなって、株価がさらに下がって行くだろう、という意味です)。 先週積み上がった実態面の悪材料としては、米国では、住宅関連の統計が不振でした。 9/19(火)発表の住宅着工件数については、既に発表済みの7月分が年率145.2万件から144.7万件に小幅ながら下方修正されたうえ、8月分は128.3万件と、前月比で11.3%も減少しました。8月の128.3万件という数値は、コロナショックから戻った後の期間(2020年7月以降)においては、最低記録です。9/21(木)に公表された8月の中古住宅販売件数は、前月比で0.7%減となり、3か月連続の減少です。 住宅は、長短金利の上昇により、米国経済指標のなかで早期に大きく悪化していましたが、一時持ち直しを示していました。このため、「住宅は早く悪化した分、早期に底打ち回復している、米国経済は堅調だ」との楽観論を唱える向きもいましたが、そうした楽観論が粉砕された形です。 詳細な解説はここでは省きますが、家計が実際の所得を基に、どの程度住宅が買いやすいかを示す、住宅取得能力指数(affordability index)というデータがあるのですが、それによれば、購入環境の悪化(金利の上昇や住宅価格の上昇など)が著しく、リーマンショック時頃より個人にとって家が買いにくくなっていることが示されています。 WTI原油先物価格は、1バレル90ドル前後での高止まりとなっていますが、先週話題になったのは、米国内での原油生産が一段と減るのではないか、との観測です。実際のところ、稼働リグ(原油リグとガスリグの合計)をみると、今年に入って減少基調です。これは、「クリーンエネルギー政策が推進されると、原油生産業者にとっては将来が暗い」として、原油価格が上がっても業者が生産に前向きになれないことが、減産要因として働いていると推察されます。 サウジやロシアだけではなく、米国も減産基調にある、ということは、「景気が良くもないのに供給減からエネルギー価格が上がって、一段と景気が悪くなる」との見解を広げかねません。 日本経済について懸念される先週の材料としては、9/20(水)に発表された8月の貿易統計において、円安であるにもかかわらず、輸出の不振が一段と明らかになっていることです。この点は、「盛りの花」で解説します。

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