ちなみに不必要な疑問や不安や焦燥感をせっせと供給することに余念の
なかった哲学者にキェルケゴールとショーペンハウアーがいますが、どっち
も読むと無駄に暗くなるので読んではいけません(大学のときのキェルケゴ
ール担当の教授は怒ると顔が赤くなったり青くなったりして信号機みたいで
面白いなと思いましたが、あれもキルケゴールを読みすぎたことから来る後
遺症だとぼくは睨んでいます)。まったくの余談になりますがショーペンハ
ウアーは同時期に絶大な人気を誇った哲学者ヘーゲルを毛嫌いしており言葉
を尽くしてその哲学や人格を罵倒した上に「飲み屋(ビアハウス)の主人み
てえな面をしやがって」と人相にまでけちをつけたのですが(飲み屋の主人
に対しても非常に失礼だと思います)、一方ニーチェは「ソクラテスはまじ
で超ブサイクだから最悪」と罵倒しており、って、まあどっちも罵倒した相
手の哲学をよく分かった上で高度な反論をしたりもしているのですが、しか
し最終的に誰かをボロカスに言ってやりたい! という気持ちが高まったと
きに、歴史に残る大哲学者たちが「ブサイク」「飲み屋のおやじそのもの」
などと、一番幼稚な外見にまつわる悪口につい走ってしまうのはとっても面
白いことだと思います。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)