メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

【死んでも書きたい話】 NHKの番組に衝撃を受けました

安田純平の死んでも書きたい話
9月末になってようやく涼しくなってきましたが、いかがおすごしでしょうか。 9月18日にNHK総合が夕方に「ドキュメント記者会見」という番組を流しました。今さら約5年も前の私の会見だけを材料に、出席した記者3人が言いたい放題に言うだけで私に一切取材しないという信じがたい内容のものでした。ネットで「安田純平 記者会見 NHK」と検索すれば出てきますので、興味のある人がご覧になってみてください。本当に、稀に見るひどさでした。 「その人そのものが全て出る場所」「安田純平の心の闇をあぶり出した」などと言いながら何が出たのか具体的には何も言わず、記者たちのその勝手な感想が妥当なのかどうかを私に全く当てることなく、完全に一方的に私を評するものでした。番組の趣旨は「記者会見とは」というものらしいですが、完全に「安田純平を論評する」という内容でした。しかも、繰り返しますが材料は約5年も前の記者会見だけです。 番組の終盤では、カメラマンたちが「ジャーナリストは泣かねえなあ」などと言っていたという話が出ていました。そういう連中がいるのを知っているから私は会見中にいっさい表情を変えなかったのですが、それを私に聞くことなく「表情がない。色がない」などという記者の感想だけを流すという、何ら真相に迫ろうという意識もない無意味な番組でした。 書いていくときりがないほどのひどい番組でしたが、中でも、2015年に私がシリアに入る経緯について、私が会見中に言っていないことを「安田さんも述べた」とナレーションで流し、経緯の説明も事実と異なる内容を図解していました。結局、記者会見とは何かではなく、私に対する批評をすることが目的の番組でした。繰り返しますが、しかもその材料は約5年も前の記者会見だけで私にいっさいの取材も事実の確認もせず、その会見の内容まで改変していました。 これについて、制作したNHKのプロデューサーと東京ビデオセンターという制作会社に抗議のメールを送ったところ、「会って説明したい」と返信がありました。「私が述べた、などと誤った内容を確定した事実としてナレーションで流したが、それを確定事実とする根拠をまず送れ」と私が返すと「確定した事実と主張する考えはない」と返ってきました。それでも私が求めた謝罪も訂正もせず「説明」だけをしに来るそうです。 どのような強弁をしてくるのか興味はありますが、繰り返しますが約5年も前の会見だけを材料にした番組には新しい情報は何一つなく、ただ単に「みんな忘れているだろうけど安田純平はこんな奴」と嗤いものにするだけの番組で、私にとっても社会にとっても全く無駄なものでしかありません。 この間にも記事や書籍等で拘束から解放までの説明を繰り返し、裁判までしてデマの払拭にも努めてきましたが、それらを全て無視し、帰国直後の2018年11月まで無理やり引き戻されるという徒労感でがっくりきました。 NHK側が何を言うのか、改めて報告をさせていただきます。 今回は2016年6月21から30日の日記です。 よろしくお願いいたします。 【2016年6月21日(火曜日)】 現在の現場監督の虐待野郎が部屋に来るようになって、怒りが収まらない。怒らせる目的としか思えない。トイレは1日2回だけなのに急がせる。理由も分からん。もう先がないのなら今さら不快にさせる理由は?まだまだ続くからではないのか?この同じ家に捕まっているトルコ人の救出でトルコがオレとの抱き合わせに応じそうとか? 14:00ころ、また虐待野郎。もう来るのはこいつで確定か。「手洗ったらトイレ閉めろ」とかどうでもいい指図。オレがトイレに行く前にわざわざ水浴びしていたアホがいたのかトイレ横のフロ場で音がしていた。フロ場でしか手を洗えないのに。「ノーノー、イエス」と虐待野郎の声がしたので、トルコ人がオレの先にトイレに行ったのかと思ったが、もう1人いるのか?すでにここに2人いるなら3人にしても同じと考えて連れてきた?オレを助けようとして捕まったアハラル・シャムの男?虐待野郎が「ハラス(終わり)?」とか聞いていたが、「ノーノー、イエス」とか言うか? ゆで卵2つだけ。スイカよこせ。 アルジャジーラ(AJ)、ヨルダン・シリア国境で自動車爆弾。ヨルダン兵6人死亡。イスラム国(IS)がシリア北部のマンビジュやラッカで反撃。2日?で政府軍30人死亡。NHK、「Science View」、レンコンやごぼうなどを形、色そのままでスプーンで切れるくらい柔らかくできる技術。味もそのまま。栄養も。NHK、ソフトバンク、インド系社長が辞任。AJ、60人のイラク兵がイラク・ファルージャで死亡。少数民族ヤズディのイラク議員の女性が状況説明。3200人の女性が奴隷か非人間的扱い。少年はISが暴行? 映画「カンパニー・オブ・ヒーローズ」は第二次大戦の対独戦。NHK、漫画「猫ヶ原」は猫の侍。「シャーマンキング」の作家。 22:30過ぎても奴ら盛大にテレビを見ている。虐待野郎は外出から戻ったようだが。飯を持ってくるのをなんで虐待野郎に戻した。22:30に来て「トイレ急げ。イエス?」と。あーうるせえ。トルコ人も同時に移動になるなら、動きそうな気配が全くない。まだまだかなり続くことになるが。まさか、画像を公開してから2カ月粘るのか?日本側から何も反応がないのに。 【2016年6月22日(水曜日)】 虐待野郎は昨日、「明日フロ」と言ったがそれだと3日に1度の正常状態。本気か知らんが。画像出してから1カ月、拘束から1年になる前にフロ入れさせて帰す、なら理想なのだが。窓を少し開けてたので、多少涼しいが、筋トレメニューを半分もできず。バレないよう毛布かぶらないとできないが、暑くて無理だし不自然。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 安田純平の死んでも書きたい話
  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
  • 550円 / 月(税込)
  • 不定期