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第87回 中国やロシアに対抗するため「欧米とインドの連携が大切」といった単純な発想はどこまで国際社会に通用するか

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 国際政治は生き物である。  日本ではあまり感じないが、中国の視点から世界を眺めていると、この言葉の意味が実感される。  例えば、昨今のカナダをめぐる情勢の変化だ。なかでも対中包囲網を築くため、アメリカを中心として西側先進国が仲間に引き入れようと躍起だったインドとの関係悪化だ。  きっかけは9月半ば、カナダのジャスティン・トルドー首相が、カナダ国内で殺害されたシーク教徒の指導者殺害について、「インド政府の工作員が関与した可能性がある」と議会で言及したことだった。  問題の事件は今年6月18日、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州のシーク教寺院の外で起きた。何者かに射殺されたシーク教の指導者、ハーディープ・シン・ニジャール氏はカナダ国民。ニジャール氏はシーク教徒の独立国家を支持していたとされ、インド政府は目の敵にしていた。2020年には彼を「テロリスト」にも認定していた。

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