【凍てつく夜】
「うゎ、寒〜」
みつおは言われた通りにエラのアパートの下で待っていた。
そこは店から歩いて行ける場所なのだが、近くにコンビニとかは無く、暗い住宅街だった。
店の片付けとかがあるので、すぐに戻ってくるはずはないのだが、はやる気持ちを抑えきれなくて早めにアパートに着いてしまったのだった。
「しまったな、どこかで時間潰してくればよかったな」
まぁ、仕方がないそのうち帰ってくるだろうと思ったのだが、なかなか帰ってこなかった。
それでも、クリスマスイブを一緒に過ごしたくて期待して待っていた。
1時間ほどして、ホステスがおしゃべりをしながら歩いてきた。
エラと他のホステスである。
「ミッチャン、なにしてるの?」
「はっ?エラがアパートで待っててと言ったから待ってたよ」
「え?そうだっけ?」
かなり酔っ払っているようだった。
「じゃ、一回上に上がってからまたくるから、ちょっと待っててネ」
「分かった」
きっと着替えてから来るのだろう。
それにしてもその夜は雪が降りそうなくらい寒かった。
東京とは違って山梨の冬は寒かった。
しかし…
待てど暮らせど、ぜんぜん降りてく様子はなかった。
凍えた手に息を吹きかけながら、さらに待つ事1時間
「アレ?コヤ?、こんなとこでなにしてるの?」
エラの仲のいいホステスの友達だった。
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