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高野孟のTHE JOURNAL Vol.620 2023.10.2
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1226》
アベノミクスを終わらせられない岸田政権の自縄自縛/
それで単なるバラマキに走る「経済対策」の馬鹿らしさ
【2】《CONFAB No.586》
閑中忙話(9月24日~30日)
【3】《FLASH No.534》
解散・総選挙のきっかけもつかめない岸田首相に起死回
生策はあるのか/日刊ゲンダイ9月28日付「永田町の裏
を読む」から転載
■■INSIDER No.1226 23/10/02 ■■■■■■■■■■
アベノミクスを終わらせられない岸田政権の自縄自縛/
それで単なるバラマキに走る「経済対策」の馬鹿らしさ
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岸田文雄首相は9月26日の閣議で「総合経済対策」を
10月中にまとめるよう各閣僚に支持し、それを受けて自
民党は29日からその具体策の議論に着手した。岸田の狙
いとしては、ガソリン代や電気・ガス代の値上がりに対
する「激変緩和措置」の補助金が10月検針分から半減す
るとか、食品4533品目の値上げが10月に予定されている
とか、生活の基幹部分に関わる物価急上昇の打撃が浸み
渡りつつある中で、それを埋め合わせる大胆な政策を提
示し、そのための大規模補正予算を組むことで人気を回
復し、あわよくば年内もしくは来年早々の解散・総選挙
のきっかけを掴みたいというところなのだろう。
●アベノミクスを清算できないことのトラウマ
しかし、そこで致命的に障害となるのはアベノミクス
の亡霊である。本来であれば岸田は、アベノミクスが経
済衰退以外の何ももたらさなかったことを明快に指摘
し、それに代わる「新しい資本主義」でも「キシダノミ
クス」でも何でもいいから、別の路線を示して清新感を
打ち出すべきだった。が、彼にはその能力がなく、いか
にもだらしなく、アベノミクスの延長上で生き長らえる
ことを選んでしまった。
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