田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」Vol.448
インドのテクノロジーが世界を席巻するであろう理由
モディ首相のテクノロジー補佐官をやっていたVCファンドGPご夫妻とランチ。ここでも月面着陸成功の話題から。
現在、フィンランドとUAEのスタートアップエコシステムのデザインアドバイザーをやっているお二人から
「UAE政府を見て心配になる。スタートアップエコシステムにお金を入れ過ぎだ。お金でスタートアップを甘やかすことほど危険なことはない。確実に無駄使いを始める」
「インドのテクノロジースタートアップのエコシステムの強さは“お金のなさ”から来ている。だから起業家は鍛えられる。安価にイノベーションを起こす方法を四六時中考えている」
「だから他の国とは違うアプローチができる。月面着陸を100億円で成し遂げた理由もそれだ。失敗には寛大だが、お金はそんなに与えなかった」
「起業家はケチでないといけない。ケチから生まれるテクノロジーは強いのだ。起業家に大盤振る舞いしたら確実に間違う」
ただ、インドのテクノロジーが世界を席巻し始めているのは安いからだけではない。インドの厳しい環境がテクノロジーを鍛えている。
・暑さ
・埃っぽさ
・停電の多さ
・電波の弱さ
・人々の乱暴な扱い
これらに対応できるから、テクノロジーが鍛えられる。熱にも埃にも強く、停電してもすぐには止まらず、携帯やWi-Fiの電波が安定しなくても使えて、人々の乱暴な扱いにも壊れない。
安いのに堅牢なテクノロジーなのだ。
「顕著なのは医療機器。先進国の医療機器はもろい。災害現場などでは動かなくなる。ところがインド製の医療機器は熱や埃にも強く、電気やWi-Fiが切れても動き続ける」
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