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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年10月8日(日)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 強行される明治神宮外苑再開発 東京五輪の”本丸” オリンピックと都市再開発利権 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  東京の明治神宮外苑地区の再開発が揉めに揉めている。  フランス・パリに拠点を置く国際記念物遺跡会議(イコモス)は9月7日、文化的な遺産が危機に瀕しているとして、「ヘリテージ・アラート」と呼ばれる緊急声明を発す。  そして事業者に対し、再開発計画の撤回を、東京都に対しては、環境影響評価(アセスメント)の再審を求めた。  これに対し事業者側は9月29日、 「これまで事業者が説明してきた内容と乖離し、イコモス独自の認識で一方的に発信された」 などと反論する文書をウェブサイトで公表。対して、日本イコモスの岡田保良委員長は、 「事業者の反論をこのまま見逃すわけにはいかない。私たちの主張は科学的根拠に基づいたものだ」 と訴えた。  日本イコモス国内委員会によると、神宮外苑の再開発については、これまで10件以上の提言や質問状を公表していきたが、事業者側の代表である三井不動産は一切回答していない。  イコモスが求める対面での質疑についても応じておらず、 「完全に無視されている」(幹部)(1) との声が。  現地では、新しいラグビー場の建設地となる神宮第二球場の解体工事が始まった。  ただ9月以降、周辺の樹木が伐採される予定であったが、三井不動産は9月29日、伐採する樹木の本数の削減を盛り込んだアセスメント書の変更届を、年末か年明けに都の審議会に報告する方針。  9月以降に行われる予定だった樹木の伐採は、来年1月以降にずれ込む見通し。三井不動産は削減される樹木の伐採本数は「検討中」とし、2036年の完成を目指す再開発全体のスケジュールへの影響を調査している。  しかしだ。なぜ、神宮外苑の再開発は”強行”されるのだろうか。そもそも、ここ数年のオリンピックの目玉は都市再開発であった。都市再開発のために東京オリパラが開催されたといっても断言してもよい。 目次 ・開発計画 ・何が問題か? ・オリンピックと都市再開発利権 ・開発計画  神宮外苑は、東京都新宿区と港区にまたがる場所。  そこに東京六大学野球の開催地と知られる神宮球場、日本ラグビーの聖地である秩父宮ラグビー場、聖徳記念絵画館など、さまざまなスポーツ・文化施設があり、大部分が「風致地区」(自然的景観を維持するために定められたエリア)に指定されている。  その場所に、明治神宮と日本スポーツ振興センター(JSC)、そして三井不動産と伊藤忠商事が、事業者として再開発計画を主導。  宿泊施設や商業施設、オフィス、広場などを建設し、「にぎわい溢れるスポーツの拠点」にするとする。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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