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中国経済「L字型成長」、習近平の大誤算 深まる外交・国防へ「猜疑心」

勝又壽良の経済時評
  • 2023/10/09
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習氏は忠実なマルキスト 理想は低成長で総崩れへ 外相・国防相解任の裏に 中国を丸ごと理解する鍵 中国は現在、自らの目論見が大きく外れてきたことに気づき始めている。足下の経済が不調であることだ。それも、循環的不況でなく構造的不況へ突入しているという認識が深まっている。その一端は、「2~3年は現在の状況が続く」という発言に現れている。不動産バブル崩壊という現実が引き起こす混乱は、2~3年の単位で始末がつくものでない。日本の例のように、「失われた30年」になりかねないのだ。 昨年10月の中国共産党大会で、習近平氏は国家主席3期目を決め世界覇権を握る大構想への自信をのぞかせた。習氏は、党大会の活動報告で「中国式現代化」という概念を強調したのだ。「戦争や植民地支配、略奪など発展途上国を不幸に陥れたかつての現代化の道は歩まない」として、植民地時代の欧米諸国などとの違いを訴えた。 具体的には、「中国モデル」を発展途上国などに広め、専制主義の世界拡大を目指したものだ。「人類が直面する共通課題の解決に向け、中国の知恵、中国の案、中国の力を提供する」と明記したのである。米欧とは異なる価値観の陣営を構築する考えを打ち出したのだ。 習氏の見解は、身勝手であり国民無視の戦略である。国民を使い捨てにして、共産党だけが繁栄しようという「国民搾取論」である。肝心の国民が唯々諾々とそれに従うという前提自体、共産党が好んで使う用語である「非科学的」なものだ。中国国民は「おとなしい羊」ではない。歴史が示すように、「易姓革命」によって人民を搾取する皇帝は倒されてきた。この歴史は、これからも繰り返されるだろう。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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