田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」Vol.449
イスラエル建国とパレスチナ問題
最近の中東は、特に2021年のイスラエルとUAEとのアブラハム合意を受けて各国の対立が緩和され、経済優先で地政学リスクは減っているように見受けられた。もはや東アジアの方が中東より地政学リスクは高いとも言われた。
現時点で私は世界大戦などに繋がるリスクは低いと見る。ただ、パレスチナからイスラエルへの侵入とイスラエル人でハマスの人質にされた人数がけた違いであることは留意すべきだろう。過去の中東戦争では直接の当事者にはならなかったイランを巻き込んだ第5次中東戦争はありうるかもしれない。
まず世界最高レベルの諜報機関と国防能力を持つこのスケールの侵入を許したことが驚きだ。やはりガザ地区含め南部は手薄だったか。本当に数千発のロケット弾が撃ち込まれたのか?その弾数の存在を本当にイスラエルが知らなかったのだろうか?
サウジアラビアとイスラエルの関係改善が今回のハマスの行動の背後にあったと言われ、その仕掛人としてイランを名指しする識者もいる。
しかし、今年の3月には中国の仲介でサウジアラビアとイランは関係改善に向けて動き出していた。サウジはどこまでイスラエルとの関係改善に本気で、どこまでイランがそれに危機感を持っていたのか?
現代の中東の地政学リスクの根源であるパレスチナ問題はイスラエル建国と共に始まった。
第一次大戦後しばらくは、中東は「植民地支配」によってイギリスやフランスに支配されながらも安定していた。
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