白馬社編集部と社会学作家・秋嶋亮の対談を収録した「週刊オンライン白馬社」の2023年9月の記事
をまとめて配信しています。
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★汚染水の放出が日本人にもたらすこれだけのこと★
いよいよ福島原発の汚染水の放出が始まった。政府やマスコミは安全だと言うけれど、そんなはずは
ない。ALPSで除去できるのは極僅かな放射性核種だけ。だから中国や韓国だけでなく世界中が警戒し
ている。汚染水放出によってこれから日本と国民はどうなるのか、編集部と秋嶋亮が解説します。
編集: とうとう福島原発の汚染水が放出されました。
秋嶋: 地球規模のカタクリズム(環境の破壊的な変化)は避けられないでしょう。政府は浄化され
た安全な水だと言いますが、これに含まれる210の核種のうちALPS(多核種除去設備)で処理できるの
は60種類程度です。それとて濾過率はせいぜい3割程度です。つまりセシウム、コバルト、プルトニ
ウム、ヨウ素、ストロンチウムなどの猛毒の核種はダダ漏れなわけです。
編集: これもう取り返しがつかないことになるでしょう。
秋嶋: 第1回目は7800トンの放出が予定されていますが、東電のデータによると、驚くなかれ、ス
トロンチウムだけでリットルあたり1600万ベクレルの放射線が認められています。
編集: 安全だなんて大嘘ですね。
秋嶋: これは予測無影響濃度(健康リスク評価における許容濃度)を「桁違い」に超えています。
「滅亡のカクテルを海洋に注ぐに等しい」と言っても過言ではありません。
編集: 国際問題に発展するでしょうね。
秋嶋: ドイツの研究機関は、福島原発が放出する核種が3年で太平洋に拡散し、10年で世界中の海
域に広がるというシミュレーションを公開していますが、この予測に若干の誤差があるとしても、地
球規模の汚染は避けられないのです。
編集: 今後間違いなく生体濃縮は加速度的に進み、東北産だけでなく、全都道府県の海産物が汚染
されます。
秋嶋: つまりこれは歴史的なフード・インセキュリティ(食料の安全保障が脅かされる状態)の始ま
りなのです。それだけでなく放射性核種は波で打ち上げられ、塩塊の粒子に混ざり、沿岸部にくまなく
飛散して内部被曝をもたらしますが、今後このような現象が日本だけでなく世界規模で生じる可能性が
高いのです。
編集: 放出に抗議しているのは中国や韓国だけではありません。太平洋諸国が汚染を警戒して放出の
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