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Vol19.年金の繰上げをした人が在職している場合の年金と年金再計算時の増額。

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座【過去記事改訂版】
(2018年1月24日第17号改訂) こんばんは! 年金アドバイザーのhirokiです。 ーーーー 1.60歳以降の就業は継続雇用が多い。 ーーーー 今日は、年金の繰上げとその後に継続雇用の場合の年金額の改定との関連です。 今はまだまだ65歳まで年金支給開始年齢の引き上げ中なんですが、年金支給開始年齢の引き上げに伴って60歳以降も継続して働く人が非常に増えました。 定年後の就労としては再雇用よりも、80%ほどの人は継続雇用です。 65歳引き上げが決まったのは平成6年改正の時ですが、実際に引き上げが始まったのは平成13年からです。 本当は昭和55年改正の時に当時の厚生省が年金支給開始年齢を60歳から65歳までに引き上げないと財政上マズイ!!って言ってたんですが、労使も政府も反対して出来ませんでした。 やはり理由としては、まだ定年退職が55歳という会社が多かったからです。 政府としては選挙に響くというのもありますね。 例えば景気が悪い時はお金をバラ撒いたり、公共事業などで国債をどんどん刷って何とかしようとして国民からも受け入れられますが、いざ景気が回復して増税して回収しようとすると国民から反発を招いて集票に響くから政治家自身が保身のために増税などに着手できずに財政赤字が膨らみ続ける。 膨らんだ財政赤字は将来世代の増税としてのしかかるため、将来の負担となってしまう。 大衆迎合が基本である民主主義の欠点でもありますね。 まあそれはともかく、昭和60年改正や平成元年改正の時も年金支給開始年齢引き上げをしようとしても、受け入れられませんでした。 でも平成6年改正の時にもう85%くらいの企業が定年退職が60歳になってきたから、定年退職をもう高年齢雇用安定法により60歳以上に義務付け(平成10年からは60歳未満の定年は禁止)、更に65歳までの雇用の努力義務を拡大したし年金支給開始年齢の引き上げもやむを得ないとなってやっと成立したんですね。 年金支給開始年齢を引き上げるっていっても、いきなり上げるわけじゃなくて20年くらいかけて上げながら、その間雇用についても頑張りましょうっていう話だったのに先の事を考えない反対派のせいで無駄に遅れる羽目になりました。 平成6年改正で65歳までは年金と労働により生活し(65歳までは現役とみなし)、65歳以降は引退して年金生活中心でという方針に変わったのはこの時。 さて僕の読者様の中でもそういう、年金を貰いながら働いてるんだけどどうなるの?と気になる人は多いです。 やはり、厚生年金に加入しながら働くと年金がカットされる在職老齢年金の事が多いですね。 昔から在職老齢年金による年金停止の相談はトップクラスに多いものでした。 特に60歳から65歳未満の人は停止基準額が28万円(年金月額+標準報酬月額+賞与を1ヶ月換算した額の合計)を超えてくると特別支給の老齢厚生年金に停止がかかっていました。 受給者の半分は停止がかかってるという統計でした。 なので、65歳未満の在職老齢年金による停止は毎日のように見かけていたものです。 ですが、令和4年4月以降は65歳未満の停止基準額は65歳以上の人と同じ48万円(令和5年度停止基準額)になったので、停止される人は十数%ほどまで減少しました。 よって、多くの人が年金停止を気にせず働けるようになったと言えます。 ちなみに65歳以上の人の在職による停止というのは、昔から特徴があって老齢厚生年金を全額もらうか全額停止されるかという0か100かのパターンが多かったですね。 65歳以上で停止される人はかなりの高給取りの人(医師とか社長みたいな人)がほとんどだった記憶があります。 その多くが年金を一部停止ではなくて、全額停止になってしまっていました。 高給取りでない人は継続雇用で60歳以降の給料が低くなって働いてる人がその後も65歳以降も働いてる中で、さらに停止基準が緩和された事で停止無しになっていました。 ですが、令和4年4月以降は65歳未満の人も65歳以上の人と同じ基準なので、よっぽどの高給取りじゃないと年金は停止されないですね。 さて、今回は年金の繰上げと年金の改定の関係についてですが、在職老齢年金の事も混じえていきたいと思います。 では事例。 (繰上げ率は昭和37年4月2日以降生まれの人は1ヶ月で0.4%減ですが、それより前生まれの人は0.5%減。令和4年4月改正による)。 ーーーー 2.本来は63歳支給の人が60歳で年金の繰上げをして、更に60歳以降に継続雇用。 ーーーー

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  • 事例と仕組みから学ぶ公的年金講座【過去記事改訂版】
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