▼第62号
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2023/10/13
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ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿
Vol.062
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インデックス
【「業務ミス」で教員に95万円請求──個人への賠償請求は合法なのか?】
【イケア「着替え時間の賃金」問題 他人事ではない「○○って労働時間?」】
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【「業務ミス」で教員に95万円請求──個人への賠償請求は合法なのか?】
今年5月。神奈川県川崎市の市立小学校において、教員がプールに水を入れる際に
ミスがあり、計6日間にわたって水が出しっぱなしとなり、約190万円分の上下
水道料金が発生。市は教員と校長に過失があったとして、損害額の半分、約95万円
を損害賠償金として2名に請求した件がニュースとなり、注目を集めた。
市の決定に対しては、
「故意ではない過失に対して、個人に弁償させるなんてブラックすぎる」
「教員の過重労働が大きな問題になってるのに、ミスで賠償責任まで負わされる
となったら、教員のなり手がますますいなくなるのでは?」
といった批判が寄せられる一方で、
「注意不足によるミスの補填に対して、市民の血税を使うべきではない」
「教員の人手不足とミスは別問題。業務上の不注意に対して責任を問われない
となれば、普段からミスなく仕事をしている教員のやる気を削ぐことにも
なりかねない」
と、市の決定に賛同する意見もみられた。
とはいえ実際のところは批判意見が多かったようで、8月末までに川崎市の窓口に
寄せられた400件超の意見の多くは批判的なもの。さらには教職員らで結成された
川崎市教職員連絡会は、賠償請求撤回を求める署名をインターネット上で立ち上げ、
集まった約17,000人分の署名を市と教育委員会宛に提出するなど、大きな動きが
広がっている。(なお川崎市教育委員会は9月15日、校長側から賠償金の支払いが
あった旨を発表している)
実は、学校プールの注水や排水におけるミスで巨額の水道料金が発生してしまう
トラブル自体は全国でしばしば発生している。今般のような全国ニュースにならず、
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