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ジャニーズ問題にみる日本社会の幼児性 辻野晃一郎のアタマの中【Vol.26】

『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』  ~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.26】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【今週号の目次】 1. 気になったニュースから  ◆ ジャニーズ問題にみる日本社会の幼児性 2. 今週のメインコラム  ◆ 日本経済凋落の真因を探る(第15回):生成AIに乗り遅れるな! 3. 読者の質問に答えます! 4. スタッフ“イギー”のつぶやき ───────────── 1. 気になったニュースから ───────────── ◆ ジャニーズ問題にみる日本社会の幼児性 今日は、ここのところ日本人が最も関心を寄せていると思われるジャニーズ問題について一言。 言うまでもなく、私は本件についてまったくの門外漢なので、本件について述べることは、単に野次馬のように見なされてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。 この問題には、日本社会が抱える闇が凝縮されており、英BBCによってまるでパンドラの箱が開けられたかのごとく、「見たくなかったもの」が次から次へと溢れ出てきました。 しかも、パンドラの箱が開いてもなお、自己保身ばかりを優先させる旧ジャニーズ事務所と、そのトップに君臨していた藤島ジュリー景子氏の傲慢さや企業経営者としての幼稚さには、多くの人たちが憤りを禁じ得ないと同時に、呆れているのではないでしょうか。 結局、NHKのスクープで、ジャニーズ事務所が主催した2回目の記者会見には、あらかじめ「指名候補記者リスト」や「指名NG記者リスト」なるものが存在していたことが発覚し、完全な茶番だったことが明らかになっています。これ以上おかしな言い訳を並べ立てるのは止めて、ただちに記者会見をやり直すのが筋でしょう。 本件については、被害者救済を含めて、すでにさまざまな人たちがあらゆる視点から論じていますので、できるだけ重複を避けて私が感じたことを簡単に整理しておきたいと思います。本件が、日本社会、特にメディアの在り方が少しでも変わる一つのきっかけになることを切に願いたいと思います。 ◇ 真のジャーナリズムとは? 「ジャーナリスト」や「ジャーナリズム」という言葉は、日本では既に死語になった感もありますが、まずは、本件に関して「真のジャーナリズム」や「ジャーナリストのあるべき姿」について思う所をX(旧ツイッター)上で発信したのですが、それがプチ炎上したので、その報告をしておきます。 10月2日にジャニーズ事務所が主催する2度目の記者会見が行なわれましたが、一部の記者が、あらかじめ主催者側が定めたルールに従わずに前列で騒いだということで、会見直後からXが荒れていました。 主催者側が定めたルールとは、「質問者は司会者が指名」、「指名された人だけが質問できる」、「一社一問」、「更問い(再質問)禁止」、「制限時間2時間」というようなものでした。まずは、自らが「鬼畜の所業」とも認めるこれだけの大事件を引き起こした主催者側が、こうした一方的なルールを設定したことに大きな違和感を覚えました。集まった記者達は、会見直前に通知されたこのルールに徹底抗議して撤回させるか、ボイコットすべきだったと思います。 結局、なかなか指名されない一部の記者たちが騒ぎ出し、主催者や周囲からたしなめられた、という状況だったのですが、会見が荒れたことで真っ先に責められるべきは、一方的なルールを勝手に設定した主催者側の方でしょう。ところが、壇上の井ノ原快彦氏の「ルールを守りましょう。子供たちも見ています」という発言に拍手すら起きたことは驚くべきことです。彼が口にした「ルール」とは、主催者側が勝手に決めたルールに過ぎず、記者達がそのルールに従う道理はどこにもありません。 そこで、私はXに以下のようにポストしました(「ツイート」を「ポスト」と言い換えるのは未だに慣れません・笑)。 「批判を承知で敢えて挑発的に言うが、そもそもジャーナリストに「ルール」や「行儀」など関係ない。人々が知るべき真実を探り当てほじくり返して人々に伝えるのが彼らの役目だ。命懸けでそれをやる使命感があるから戦場にも行けば権力にも媚びない。それが真のジャーナリストだ。」 そしてこのポストを引用してさらに次のように言いました。 「首相会見にしろ官房長官会見にしろジャニーズ会見にしろ、主催者側が一方的に決めた「ルール」に従順に礼儀正しく従っているような連中は、少なくとも「ジャーナリスト」ではない。大手メディア企業に勤めるただのサラリーマンだ。」 10月11日現在で、一つ目のポストは7,042の「いいね」、3,465の「リポスト」、185.8万のインプレッション、二つ目のポストは、5,135の「いいね」、2,243の「リポスト」、30.3万のインプレッション、という反応だったのですが、一つ目のポストには753のリプがあり、その大半がいわゆる「クソリプ」でした。 特に一つ目のポストに対する反応で面白かったのは、--

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