10月12日発表の「アメリカの9月の消費者物価指数(CPI)で
は、「悪魔が細部の宿っていました」!
細部を眺めると、ここはWSJの番記者であるニック・ティミラオ
スも指摘していることですが、
コアCPIで、8月には「直近3ヶ月平均の上昇率」は一旦は年
率2.4%くらいまで低下していたものが、9月には年率3.1%
まで上昇してしまっていました!!!
しかも、FRBが最も懸念して心配しているのはサービス価格の
上昇率が9月には急上昇しています。
価格に占める賃金の割合が大きいサービス価格では、ここ直近3
ヶ月平均の伸びが年率4.81%まで急上昇していました!
サービス分野では、賃金―物価のスパイラル的上昇が再開して
しまっているのです。
今回の消費者物価統計で、米国国内の一部の悲観論者達が大変心
配していたこと、すなわち「今後、アメリカ国内の消費者物価指数
が3~4%で高止まりするだろう」ことが裏付けられたかっこう
です。
こういった「3~4%の高めのインフレ」の定着は、旺盛な需要
に裏付けられて起きているものではありません。
兼ねてからお伝えしておりますように、こういった高めのインフ
レは経済の構造的な変化が原因です。
すなわち、こういったインフレは供給側(サプライサイド)に問題
があるので、FRBが政策金利を0.25%かそこら引き上げて需
要を冷やせば収束すると言った種類のインフレではないのです。
FRBが、この「3~4%の高めのインフレ」を退治しようと政
策金利を0.25%かそこら引き上げても、インフレはたいして
収まらないけど、長期金利が上昇してしまって、株式市場を壊し
てしまうでしょう。
その反対に、「3~4%の高めのインフレ」を容認して、これ以上
の政策金利の引き上げを止めると、インフレを容認したと言うこ
とで、ドル安が本格化、長期金利が上昇してしまって、こちらも株
式市場を壊してしまうことでしょう。
どっちに転んでも、アメリカ国内の長期金利は上昇してしまい、
内外の株式市場は大幅調整してしまうのです。
アメリカの長期金利は、株価が大幅調整して長期金利が低下する
まで、上昇することでしょう。
最悪のケース、1987年のブラックマンデー型の暴落が起きてしま
うでしょう。
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