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佐々木俊尚の未来地図レポート 2023.10.16 Vol.777
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【今週のコンテンツ】
特集
生成AI時代の文章術に必要なのは「体験談」と「世界観」である
〜〜〜SNS時代の「日本語の作文技術」について考える(第10回)
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
生成AI時代の文章術に必要なのは「体験談」と「世界観」である
〜〜〜SNS時代の「日本語の作文技術」について考える(第10回)
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だれかに文章を伝えるための力には、三つの方向があります。古代ギリシャの哲学者アリストテレスが「弁論術」で語ったことに沿えば、それはロゴス(論理)とパトス(感情)とエトス(信頼)。
一般的な文章入門本で「簡潔でわかりやすく」などと説明されているのは、もっぱらロゴス(論理)です。ファクトやエビデンスをベースにして、三段論法などを駆使して明快な論理を持ってコミュニケーションする。これは現代の文章術の必須のスキルと言ってよいでしょう。
ところがこのロゴス文は、生成AIの出現と進化で、もはや人間が書かなくても機械が書いてくれるようになりつつあります。例として、最近議論になっているライドシェア解禁について考えてみます。ライドシェアは「相乗り」という意味で、米国など海外で広まっているタクシー的なサービスです。タクシーがプロの運転手によって運行されるのに対し、ライドシェアではお客さんがいる場所の近くに住んでる人などが、自分の自家用車でタクシー的なサービスを提供します。ライドシェアを本業にする人もいますが、たとえば農家さんが農閑期に携わるなど副業的な
仕事にもできることが想定されています。
日本ではタクシー業界の反発もあって、ライドシェアは解禁されてきませんでした。いわゆる「白タク」ということになり、現行の道路運送法違反なのです。しかしコロナ禍で地方都市を中心にタクシー運転手さんが引退などで減ってしまい、タクシー台数が確保できなくなっていることから、ライドシェア解禁の議論がにわかに盛りあがって来ました。
さて、本稿はライドシェアの是非を論考するものではないので、前提の説明はこれぐらいにしましょう。ChatGPTに、ライドシェアについて訊いてみました。
わたしの問い:
日本の地方都市では、コロナ禍後にタクシー台数が不足しています。これに対応するため道路運送法を改正し、ライドシェアのサービスを解禁しようという議論が高まっています。この議論についてのポイントを整理してください。
ChatGPTの回答:
日本の地方都市でコロナ禍後にタクシー台数が不足し、それに対応するためにライドシェアサービスの解禁を検討する議論が高まっているとのシナリオにおいて、いくつかのポイントが考えられます。
(1) タクシー業界とライドシェアサービスとの関係性
業界の反発: 伝統的なタクシー業界は、ライドシェアの登場による市場への影響を懸念する可能性があります。
協力の可能性: 一方で、ライドシェアがタクシー業界と協力しながら地域社会に貢献するモデルも考えられます。
(2) 法制度と規制
道路運送法の改正: 現行法がライドシェアサービスをどう定義し、どう規制しているか、また、どのような改正が必要かを詳細に検討する必要があります。
……とこの返答は堅苦しくてあまり面白くなかったので、さらに問いを追加してみます。「あなたは文章力の巧みさで定評のある評論家です。より情熱的に、具体的に説明して」といった指示を出してみました。ロゴス(論理)だけでなく、パトス(感情)も込めてもらおうと思ったのです。以下のような回答を返してきました。一部を紹介します。
「ライドシェアは、地方都市における革命の火花。まず想像してみてください。車を持たなくても、自由に移動できる社会。アメリカのライドシェアサービス、UberやLyftが都市部で急速な成長を遂げている中で、地方でも、この新しい移動手段をどう活かせるかが大きなテーマになります」
「地方都市では、公共交通が不足し、個別の移動手段が必須となっている場面が多いです。ここでライドシェアがステージに登場!これまで非効率だった個別の移動が、ライドシェアによってコミュニティ全体のエネルギーを高め、同時にエコロジカルな移動手段として地球環境にも優しい選択が可能になります」
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