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高野孟のTHE JOURNAL Vol.622 2023.10.16
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1228》
鈴木宗男議員の訪露の何が悪いのか?/昔「鬼畜米
英」、今「極悪露中」ーー幼稚な憎悪感覚からの鈴木批
判を嗤う
【2】《CONFAB No.588》
閑中忙話(10月8日~14日)
【3】《FLASH No.536》
日本政府の「辺野古基地」強行はあまりにも時代錯誤/
日刊ゲンダイ10月12日付「永田町の裏を読む」から転載
■■INSIDER No.1228 23/10/16 ■■■■■■■■■■
鈴木宗男議員の訪露の何が悪いのか?/昔「鬼畜米
英」、今「極悪露中」ーー幼稚な憎悪感覚からの鈴木批
判を嗤う
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鈴木宗男参議院議員(当時=日本維新の会国会議員団
副代表)が10月1~5日にロシアを訪問し、露外務省の
2人の次官と会談し、また露国営通信社スプートニクの
取材に応じウクライナ戦争に関して「ロシアの勝利、ロ
シアがウクライナに対して屈することがないと100%確
信している」などと発言したことが大問題になり、ネッ
ト上では「国賊」「売国奴」「ロシアのスパイ」など最
大限の悪罵が浴びせられた。
そういう幼稚なヘイト言論にたちまち煽られてしまう
のがポピュリスト政党の宿命で、日本維新の会の馬場伸
幸代表らはいきり立って、「党の考え方と違う。除名処
分とする」との方針を打ち出したが、考え方の違いで迫
害するなら共産党と同じになってしまう。それについて
鈴木が、「訪露の予定を事前に党に届け出なかった」と
いう手続きミスに関しては責めを負うけれども、モスク
ワでの発言内容を理由に除名するとはどういうことか」
と正論を吐いた。これには馬場らは立ち竦まざるを得
ず、となると手続きミスで除名というのもいかがなもの
かということでオロオロしている内に、鈴木の方から離
党届が出、それを馬場が受け入れたことで処分なしのま
ま決着となった。
そもそも維新にウクライナ戦争についての党内議論を
経た「党の考え方」などあるはずがないし、仮にあった
としても浅薄なマスコミが言っている程度の「ゼレンス
キーが善、プーチンが悪」というポピュラー(通俗的)
な白黒二分論であるに違いなく、百戦錬磨のロシア通で
ある鈴木と論争して勝てるはずがない。この経緯を通じ
て浮き彫りとなったのは、鈴木ではなく馬場のバカさ加
減である。
●世界は白か黒かで単純に割り切れない
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