_________________________
/ 2023年10月13日発行 /Vol.583(2/2)
_________________________
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.8年前からデザイン事務所を経営していて、スタッフも2名いるのですが、正直、孤独です。たかが2名とはいえ雇っている以上、彼らの生活に責任も持たねばいけません。主に広告や宣伝チラシの仕事が多いのですが、コロナ禍で仕事が減ったときは頭が本当に割れるんじゃないかというくらいの頭痛に悩み不安になりました。それでも身近に同業者はおらず(フリーランスは多いですが…)、愚痴も不安も言う相手がいませんでした。松尾さんも多くの劇団員を抱えて、最初の頃は心配事や不安ごとがあったかと思うのですが、不安なときは、どうやって自分を支えておられましたか?(41歳、男性)
A.そうですね。自分もフリーターから、いきなり劇団を旗揚げするという暴挙をやったので、相談する相手もいなければ、どうすれば芸能活動や執筆活動をやっていけるのか途方に暮れていました。おもしろい芝居さえしていれば、誰かが手を差し伸べてくれる、ぐらいの甘い考えだったのですが、その甘さが、まんまと功を奏したとしか思えない幸運さで、なんとか乗り切ってきました。ベタな言い方で申し訳ないのですが、そのときそのときの出会いをきちんと大事にして、向き合えたからだと思います。初めて劇評を書いてくれた宮沢章夫さんに、
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)