《抜粋》
アメリカでは「3~4%の高めのインフレ」が定着しそうです。
この「高めのインフレ」は供給側に原因があるので、パウエルFRB
が「経済をぶっ壊して深刻な景気後退を招く」覚悟で政策金利
を1.00%近く引き上げない限りは、この「高めのインフレ」は
収まらないでしょう。もちろん、そんな荒治療は出来ません。
さて、FRBが、政策金利を0.25%かそこら引き上げるくらい
では、この「高めのインフレ」は収まらず、かえって長期金利が上
昇してしまうだけでしょう。その反対に、FRBがこの「高めのイ
ンフレ」を容認して、これ以上の政策金利の引き上げを止めてし
まうと、FRBが「高めのインフレ」を容認したと言うことで、こ
れまた長期金利が上昇してしまうことでしょう。
FRBが今後どっちに転んでも、アメリカ国内の長期金利は上昇し
てしまい、内外の株式市場は大幅調整してしまうのです。
昨日10月20日の講演で、パウエルFRB議長は「今後の政策金
利の行くえ」については言葉を選んで慎重な講演を行ないました。
が、長期金利は5%へ向かって勢いよく上昇してゆきました。
一方、アメリカドル国債の需給構造を巡る変化もアメリカの長期
金利を押し上げています。バイデン政権は放漫財政に走りすぎて
います。ドル国債が供給過剰なのです。一方、ドル国債の買い手
(需要側)は年々少なくなっています。中国やロシアに「今まで通
りのドル国債の買い手」を期待するのは無理でしょう。今の日本
では日銀が出口を探る段階なので国内金利も上昇トレンドにあり
ます。日本国内の大手金融機関もドル国債を今まで通りには買い
支えないでしょう。しかも、アメリカFRBはQT(量的金融引き
締め)進行中でドル国債を市中に放出中です。こちらも長期金利
の上昇圧力になっています。
かくしてアメリカの長期金利は5%へ向かって急上昇しています。
昨日は一時的にも5%をタッチしてきました。
アメリカのみならず、世界中の長期金利が上昇中です。
日本の長期金利も0.80%台を超えてきました。日銀がYCC(イ
ールドカーブコントロール)政策を再修正する日も近いでしょう。
こういった長期金利の上昇で、内外の株式市場は調整中です。
一方、世界の地政学的危機はここに来て一挙に高まっています。
まるで、第三次世界大戦「前夜」を彷彿とさせる状態。
ロシア・ウクライナ戦争が長期化する中で、10月7日には中東
でイスラエル・ハマス戦争が始まってしまいました。2024年
以降はこれに東アジアの「台湾有事」が加わりそうです。
第三次世界大戦が勃発する可能性が急きょ現実味を帯びてきまし
た。
原油価格が再び1バーレル90ドルを超えてきました。
地政学的危機の高まりは、原油を始めとする資源コモディティー
価格の上昇や軍事費の膨張を通じて、インフレの上昇圧力と長期
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