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はじめに
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国連安全保障理事会は18日、常任理事国のアメリカがパレスチナ自治区ガザ情勢についての決議案に拒否権を行使した。
しかしその実態は、ウクライナ侵攻についてロシアの拒否権を非難しながら、イスラエルの地上侵攻については黙認する”ダブルスタンダード”の姿勢が見え隠れする。
今回の件だけでなく、安全保障理事会でイスラエルの国際法違反を非難する決議が提出されるたびに、アメリカ”だけ”が拒否権を発動してきた。
また、アメリカがイスラエルの建国以来、1580億ドル(約28兆円)を拠出してきた。この額は、第二次世界大戦以降、アメリカが支援してきたどの国よりも多い金額だ。
ユダヤ系国民の影響力も大きい。いわゆるイスラエル・ロビーが米政界で最強のロビー団体のひとつ。
最近では、キリスト教福音派の影響も指摘される。聖書の言葉を一字一句重視する福音派は、いまや米国民の4分の1近くを占める。
イスラエルは、「神がユダヤ人に与えた土地」であり、米国民でさえ、イスラエルにユダヤ人が帰還しなければならないと考える国民が多い。
他方で、最近ではアメリカでも、若者の「イスラエル離れ」が目立つ(1)。アメリカでも若い世代ほどリベラルな思考をもつ傾向にあり、イスラエルによる占領政策を批判し、パレスチナへの人道的配慮を求める声も目立ち始める。
そのために、バイデン政権も”また裂き”状態になっている。
18日、バイデン大統領はイスラエルで演説し、2001年9月の米中枢同時多発テロ後、米軍が20年近くアフガニスタンに軍事介入したことについて、
「正義を求め、成し遂げたが、過ちを犯した」(2)
と言及。
バイデン大統領は、その「過ち」について具体的には説明しなかったものの、長期間に及んだ「テロとの戦い」であるとみられる。
米中枢同時多発テロでは計2977人が死亡。しかし2021年8月までの撤退までに米軍関係者2461人が死亡し、アフガニスタン政府軍と民間人合わせ、17万人の犠牲者が出たとされる。
(1) 高野遼「米国はイスラエルとなぜ「特別な関係」?」朝日新聞、2023年10月19日付朝刊、2項
(2) ワシントン=共同「バイデン氏 イスラエルに自制促す」西日本新聞、2023年10月20日付朝刊、3項
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自衛隊の現在地 相次ぐ、セクハラ・パワハラ 自治体、自衛隊に名簿提供 「別班」の正体
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自衛隊という組織が揺れている。昨年6月下旬、YouTubeに2本の動画が上がった。
「セクハラ告白 自衛隊を退職に追い込まれた女性」
「隊員15人に囲まれ強引に……」
若い女性が、言葉を慎重に選びながら自身が受けた性暴力の様子が赤裸々に語っている(1)。
被害を受けたのは、五ノ井(ごのい)里奈さん(23歳)。2020年4月に陸上自衛隊に入隊。
彼女が入隊した動機は、5歳から始めた柔道を極めたかったこと、自身が被災者となった東日本大震災のとき支援してくれた女性自衛官への憧れ。
大学を中退して受験、合格する。半年間の研修期間を経て、東北方面の中隊に配属が決定したとき、
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