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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 199
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、ネットから生まれた映像コンテンツについてご紹介します。
ネットから生まれた映像コンテンツというと、ビリビリなどの動画共有サービスに投稿される映像、抖音などに投稿されるショートムービーが思い浮かび、その中にももちろん素晴らしいコンテンツがたくさんあります。
しかし、今回は、より質の高い、鑑賞に耐えうるコンテンツをご紹介します。ひとつはアップルが中国市場向けに毎年の春節に公開しているショート映画です。中国の著名監督、俳優を起用し、クオリティは劇場映画と変わりありません。ただし、すべてiPhoneで撮影されているというのがミソになっています。
2018年に公開された「三分間」は、多くの中国人が涙なくしては見れない内容で、大きな話題となりました。それからアップルは合計6本の短編映画をネットで公開しています。
また、夏冬の北京五輪開会式の総監督を務め、国際的な映画を多数監督している張芸謀(チャン・イーモウ)監督は、2019年に開催された抖音映画祭に、「竪屏美学」と題した4本の小品を出品しています。これも大きな話題となりました。なぜなら、縦動画だったからです。中国を代表する巨匠が、それまで培ってきた美学理論を縦動画に再構築し直して制作したのです。今では、映像を学ぶものが必ず一度は研究しなければならない教科書的教材になっています。
この他、アマチュがスマホでドラマを撮影することも盛んになり、「大英博物館からの脱出」は4.1億回再生、「土味三国」は10億回再生というヒットが生まれています。
中国はすでに、ヒットコンテンツは映画やテレビのスタジオではなく、ネットから生まれるようになっています。
今回は、このような優れたコンテンツのうち、YouTubeなど日本でも見られるものをご紹介します。いずれも数分から長くても15分なので、お時間のある時に、中国の映像産業の水準がどの程度まで上がってきているのかを確認してみてください。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 199
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▼目次▼
映画、ドラマはスマホで撮影されネットで公開される。中国の優れた映像コンテンツ
小米物語その118
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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映画、ドラマはスマホで撮影されネットで公開される。
中国の優れた映像コンテンツ
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今回は、中国のネットで発表された映画、ドラマについてご紹介します。
日本でも、最近では「テレビを持っていない」ことが、意識の高いライフスタイルであるかのようになってきています。確かにスマートフォンがあれば、テレビはなくてもいいのではないかと思えるようになってきました。テレビよりも、大型のワイヤレス接続可能なディスプレイの方がいいと考えている方も多いのではないでしょうか。
「情報通信白書」(総務省)によると、平日のテレビ視聴時間とネット利用時間は2020年に逆転をして、ネット利用時間の方が長くなっています。
▲平日のテレビ視聴時間とネット利用時間は2020年に逆転をした。「情報通信白書」(総務省)より作成。
10代では、テレビ視聴時間が46.0分、ネット利用時間が195.0分と、ネット利用時間が4倍になっています。テレビ視聴時間の方が多いのは50代、60代のみです。休日でも、2022年に逆転が起きています。
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