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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年10月22日(日)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 大阪・関西万博、なぜか福岡市長がPR プロ野球優勝パレードを政治利用か? -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2025年開催の大阪・関西万博の暗雲が立ち込めている。大阪府や国が、財政負担のあり方で苦悩している。地元の理解を得たい吉村洋文大阪知事は、6日に西村康稔経済相らと面会し、対応を協議した。  府は、国からの財政支援が得られないか検討しているものの、しかし政府にとってみれば国費の負担がさらに増す可能性があり、調整は難航している。  吉村知事は同日、東京都内で西村氏のほか、自見英子万博相らと面会した。しかし万博の建設費は、これまでより約450億円増の約2300億円まで上ぶれする可能性がある。他方、膨張する経費に対し、地元は反発する。  万博の建設費の負担は経済界で3等分すると閣議で了承されており、大阪府と大阪市の負担額は、さらに1500億円程度、増える可能性が。  2020年にも建設費の増額が決定しており、もし今回も経費の増額が決定すれば2度目だ。  しかしながら、万博の誘致を主導したのは、吉村知事が共同代表を務める日本維新の会。増額分の負担軽減を求めれば、与野党からの批判は避けられない。  そこで府が検討しているのが、交付金による財政支援(1)。交付金を活用すれば、費用負担が3等分という大枠は維持しつつ、府と市の負担は軽減できる。  膨らみ続ける万博の経費は、政府にとっても悩ましい問題だ。すでに会場建設費の上ぶれ分は国と大阪府・市、経済界とで3等分すると閣議で了承されており、国はこの負担割合を変更するつもりはない。  岸田文雄首相の周辺も、 「もともと維新がやりたいと言って招致したのに・・・」(2) と恨み節だ。  とはいえ、維新を突き放すわけにはいかない。維新は自民党にとって、今後の政局を左右する政党であることは間違いない。 他方、万博をバックアップしようと、”安倍トモ”であった福岡市長の高島宗一郎氏も動き出す。 目次 ・なぜか福岡市長が万博をPR ・万博、時間外労働の上限の規制の対象外に? ・万博、優勝パレードを政治利用 ・なぜか福岡市長が万博をPR 「万博を大阪だけでなく、九州、福岡のものにもしていく。維新かどうかの話でなく、日本にとって失敗できない」(3)  9月24日、福岡市でのイベントで市の高島宗一郎市長はこう熱弁をふるう。横には、日本維新の会の吉村大阪府知事の姿が。その入れ替わりで、北九州、佐賀県武雄、大分県別府、宮崎、鹿児島各市の市長ら6人が登壇。  万博の訪日客は350万人と想定され、そのインバウンド需要を関西以外にも波及させる構想の実現を目指すことで一致した。  大阪を訪れる観光客を西へと、九州へと。大阪・関西万博を機に、福岡市の高島市長は九州、西日本の11首長と連携し、インバウンドで訪れる訪日客を取り込む観光周遊ルートづくりである「西のゴールデンルート」を進めると表明。  ゴールデンルートとは大阪から東京までの観光地をつなぐ訪日客の王道コース。しかし、それに対抗する形で、大阪から九州を結ぶ西のゴールデンルートを構築しようとする。  従来、九州への訪日客は距離的に近い中国や韓国など東アジアが大半で、滞在期間が長く、消費額も多い欧米人の誘客が課題となっていた。  欧米からやってくる観光客は、東京や大阪に降り立って周遊する傾向にあるが、大阪から西側へのルートが確立されているのは被爆地・広島までという。  高島氏は2010年年の初当選以来、自民党の故・安倍晋三元首相らとの良好な関係を背景に、国家戦略特区への指定をはじめ、さまざまな施策を推進。一方で、元日本維新の会代表の橋下徹氏をはじめ、維新関係者との親交もある。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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