コンプレックスについて
人間関係の中にこそ、この世の中を支配している権力の基盤がある。親と子、男と女、
頭の良い人と悪い人、美形とブス、温和な人とひねくれ者、都会人と地方人、大人と子供、
……それが個人だけのことなら、単たる立場であり性格であり宿命でしかないものなのに、
他者が登場することによって、比較がなされる。比較を恐れる人たちは、ますます個人的
になって、自分の宿命の中に閉じこもろうとする。でも、違うのだ。君は比較しようとし
たのではなく、自分の個人性で相手の個人性を押しつぶそうとしたのだ。臆病という武器
で、君は個人間戦争を忌避しようと思ったのだろうけど、どうして戦いそのものをなくそ
うとはしないのだ。自己卑小感にさいなまれて自殺していく人たちを見てると、無性に腹
が立ってくる。「さっさと死んじまえ!」という気になってくる。お前は被害者なんかじゃ
なく、加害者のなりそこないだ。コンプレックスと自己優越感がコインの裏表であること
は、とっくに見えているはずなのに。
★おまけ★
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