【鬼軍曹の元で…】
「いいか、1ヶ月でバイト生に追いつけよ、店長がバイトより仕事ができねぇんじゃシャレになんないからな、まずはメニューを全部覚えてこい」
初日からかなりプレッシャーをかけられた。
ピザの種類は30種類以上もあり、簡単に覚えられるものではなかった。
ここは店長以外は全てバイト生である。
インストアといって、中でピザを作る係とデリバリーといってバイクで配達する係に分けられ、まずはインストアの仕事から覚えなければならなかった。
一応レシピは壁一面に貼ってあるのだが、いちいち見ながら作っているとかなり時間がかかるのである。
基本は30分で配達なので、注文が入ってから生地を作り、トッピングして大きな窯で焼いてから配達するまで30分である。
5分でトッピングまで終え、10分で窯でやいて5分でカットして箱に入れ、配達でおよそ10分の計算である。
細かく言うと、2分で生地を打ち3分でトッピングしなければならない。
見ながらトッピングしていたんではトッピングだけで5分かかってしまうのである。
早いバイト生は、1分で生地を打ち2分でトッピングするので、ゆとりがあるのだが遅い人がやると生地打ちで5分かかりトッピングで5分かかるので、配達の時間が少なくなり慌ててバイクを運転すると事故の元なのである。
「いいか、この仕事で大切なのは、いかにスピードアップすかだ、とりあえず生地は2分以内で打てよ、トッピングはいちいち見たたら時間の無駄だから、完全に暗記しておけよ、チーズは15グラムを計りで測るが、手で掴んだ感覚でおぼえれば計りを使う時間を省けるから」
みつおの担当のマネージャーは評判の鬼軍曹だった。趣味は筋トレで常に筋肉をひけらかしていた。
「この商売はバイト生になめられたらアウトなんだよ、だから俺は筋トレをして、バイト生が反抗しないようにしてるんだよ、お前も筋トレやれよ」
「あ、はい、考えておきます」
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