久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」
授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと
毎月第1-4 火曜日発行 vol.155 2023/10/24発行
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5.大人の放課後相談室
Q 自営業で頑張り過ぎる問題の最適解とは?
会社からリストラされ、家族を養うために10月からUber Eatsや出前館に代表されるフードデリバリーの配達員の仕事をはじめました。
転職活動の隙間時間に少しでも収入を得ようと考えて、もっとも柔軟性がある働き方を選んだ格好です。
しかし、そこで直面しているのが働き過ぎる問題になります。ご存知の方もいるかもしれませんが、Uber Eatsや出前館は、時給制ではなく、成功報酬制です。案件がひっきりなしに入れば、1時間当たり2,000円近い報酬になりますが、暇な日や暇な時間帯があるので、時給換算すると最低賃金を大きく下回る日もあります。
そうなると挽回しようと、ついつい稼働時間が増えます。
その結果、この2週間でとても疲弊している自分に気付きました。
ちなみに長らく会社員をしてきたので、自営業的な働き方は今回がはじめてです。
不安から取り憑かれたように働いてしまいましたが、あまり持続可能な形じゃないと考えています。
自営業や会社経営者の方は、どういうさじ加減でワークライフバランスをとっているのでしょうか?久米さんのアドバイスを頂ければ幸いです。
(匿住所 匿年齢)
A 自営業では景気次第でワークライフバランスは壊れると覚悟。働きながら学んで遊んで新展開を図る。余裕ができたらワークライフバランスを考える。
リストラされて、失業保険が取れる転職期間中も、ご家族のために働いていらっしゃるとのこと。頭が下がります。くれぐれも自転車移動中の事故と働き過ぎによる体調不良にご注意くださいませ。
お尋ねの自営業や会社経営者のワークライフバランスですが、私のまわりの該当者を見ますと、人それぞれだと思います。働くのが大好きな人もいれば、働いているより遊んでいる時間が長いような人もいます。
そこで、私の場合に限ってお話をいたしましょう。
■1 家業の国産Tシャツメーカー久米繊維三代目経営者の経験から
まず、家業で三代目を引き継いだ久米繊維工業について申し上げましょう。
わが社は、円高賃金高で海外生産シフトが進む構造不況業種の典型でした。さらにバブル期に多大な負債を抱えており、顧客の問屋・小売業でも倒産や廃業が大量発生しました。そこに来て、金融機関の経営危機による統廃合と、それに伴う貸し渋り・貸しはがしに見舞われ、貸し倒れも増えてしまいました。ですから売上が減っている中で、経営危機に見舞われたお客様を洗い出して、取引をやめるという厳しい選択を迫られました。
しかも既存の仕事だけしては、会社の未来が無いため、ブランド力強化と直販推進で高付加価値化を図る必要がありました。そこで、Macを使ってデザイン機能を強化したり、インターネット通販の子会社をつくったり、暗中模索の新規事業展開が続きました。
とは言え、新規事業に投資できる余裕資金も無いので、自分でやるしかありませんでした。今でも忘れられないのは、初めてのwebサイト構築は自分自身でクリスマス中に半ば徹夜で行ったことです。
つまりワークライフバランスなどと言っていられる余裕はありませんでした。常に仕事のことばなり考えざるを得なかったのです。
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