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第236号 岸田首相自身のための経済政策/きっこの足湯物語(後編)/ハロウィン/片見の月

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  • 2023/10/25
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「岸田首相自身のための経済政策」 10月23日(月)午後、岸田文雄首相が臨時国会の開会にあたり、所信表明演説を行ないました。そして、冒頭から噴飯物の大嘘を連発しました。 「内閣総理大臣として、私の頭に今あるもの、それは『変化の流れを絶対に逃さない、つかみ取る』の一点です。岸田内閣は、防衛力の抜本的強化、エネルギー政策の転換、次元の異なるこども・子育て政策をはじめ、時代の変化に応じた先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、結果をお示ししてきました。今後も、物価高をはじめ国民が直面する課題に、『先送りせず、必ず答えを出す』との不撓不屈の覚悟をもって取り組んでいきます。」 今年の通常国会で、岸田首相は、米国の命令による「防衛費増額」も、絵に描いた餅の「異次元の少子化対策」も、どちらも財源を明示できずに、ボンヤリさせたまま先送りしましたよね。その上「エネルギー政策」に関しては、中国への根回しもせずに自称処理水を海洋放出したことで、福島以外の漁業にも大打撃を与え、ひとまず国民の血税で穴埋めしつつ、抜本的解決は先送りという無責任極まりない無能ぶりをいかんなく発揮中ですよね。 それなのに、一体どこをどうしたら「先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、結果をお示ししてきました」なんて大嘘を涼しい顔で抜かせるのですか?もしかして、これって「先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、すべてを先送りしちゃいました~!テヘペロ♪」っていう本音を内蔵させた一世一代のクソメガネギャグですか? つーか、最後の「不撓不屈の覚悟をもって取り組んでいきます」って、お前は大関に昇進した時の貴花田かよ!‥‥なんて細かいツッパリ‥‥じゃなくて、細かいツッコミも入れつつ、さらに多くの皆さんが呆れ果てたのが、次のフレーズでした。 「経済!経済!経済!私は何よりも経済に重点を置いていきます!」 サスガは財務官僚が書いた原稿ですね。昭和のおじさんなら「権藤!権藤!雨!権藤!」を思い出したかもしれませんし、吉田照美さんのファンなら「物販!物販!また物販!」を思い出したかもしれません。しかし、岸田首相が語気を強めて「経済!経済!経済!」と連呼した瞬間、野党席から飛んだのは「増税!増税!増税!」というヤジと失笑でした(笑) それにしても、あたしが驚いたのは、何よりも一番先に言及すると思っていた、イスラエルとハマスの問題について、完全スルーでただの一言も触れなかったことです。そして、全国の数えきれないほどの人たちに大迷惑を掛けているマイナ保険証の問題についても、ただの一言も触れなかったことです。その上、全国が注目していた「増税」という言葉も「減税」という言葉も、ただの一度も使わなかったことです。 前日まで大騒ぎしていた「所得減税」について、岸田首相は「税収の増収分の一部を公正かつ適正に国民へ還元する」という遠回しな言い方をしただけで、「減税」という言葉は使いませんでした。スピーチライターが党内からの反発や財務省に配慮したのか、あまりにも具体性に欠けた演説内容は、もはや「絵に描いた餅」ですらありませんでした。まるで、何も絵の描いていない白紙の画用紙を掲げて、「これが私のビジョンです」と言っているような演説でした。 ま、遅かれ早かれ、「所得税の期限付き定額減税」と「低所得者層への給付金」という、ほとんど何の意味もない「焼け石に水」の経済政策が、自公とゆかいな仲間たちの数の暴力によってゴリ押しされるでしょう。そこで、この所信表明演説の2日前の10月21日(土)、文化放送『田村淳のNewsCLUB』で、この無能すぎる政策を分かりやすく解説してくれた経済アナリスト、森永康平さんの発言を文字起こししてみました。 森永康平さん「今回のタイトルは『誰のための経済政策なのか?』です。先ほどニュースでも読まれましたが、岸田総理が期限付きの所得減税を指示しました。経済対策の中身がぜんぜん見えてなかった時点で、もしかして消費減税があるんじゃないか?という噂が流れた時があって、少しは期待してたんです。しかし蓋を開けてみると、そこまでは踏み込めずに、時限的な所得減税だと。ただこの所得減税に関して言うと、やらないよりはやったほうがいいとは思いますが、何で所得減税なのかよく分からないんですね」 田村淳さん「そうなんですか」 康平さん「所得減税には定率減税と定額減税があるんですが、定率減税は高所得者にめちゃくちゃ有利なんですね。今の物価高の局面は、金持ちより低所得者のほうが辛いわけですから、そこに効かせようと思ったら、定率減税は意味ないんですね。そもそも所得の低い人って、そんなに所得税を払ってないし。そして、もう一方の定額減税は一律に定額を引く減税なんですが、これをやると、いわゆる低所得者層とか高齢者の非課税世帯とか、どうすんの?って話になるわけですよ」 淳さん「うんうん」 康平さん「で、岸田さんは『そこには別途給付金を用意してます』って言ってるんですよ。となると、それってもはや、一律給付金とやってることは一緒じゃないの?ってね。じゃあ何でわざわざ面倒くさい所得減税って方向に行ったのか?だって、やってることは給付金になっちゃうわけだから、結局は」 淳さん「最終的にはね」 康平さん「僕が思ったのは、先ほどの話につながるんですけど、たぶん『増税クソメガネ』ってのが、めちゃくちゃ効いてんだろうなって思って。だって、物価高の対策なら給付金だけでいいじゃないですか?」 淳さん「そうですよね」 康平さん「それを無理に所得減税とセットにしたってことは‥‥」 淳さん「『減税』という言葉を使って、『増税クソメガネ』を掻き消したいってことですよね?」 康平さん「そういう話なのかなって思うと、先ほど僕がタイトルコールした『誰のための経済政策なのか?』って話につながるんですよ」 淳さん「ホントですね~」 康平さん「国民がどうのとかじゃなくて、自分のアダ名を変えたいだけじゃないのかな?って、思わざるをえないんです」 淳さん「なるほど~、でもそんなことのために、いや、二度手間っていうか、ストレートな政策じゃないなとは思ってたんですよね」 康平さん「おっしゃる通りですね。シンプルに全国民にいい影響が出る政策は、消費減税なんですよ。単純に買い物をした時に払う金額が減るから」 淳さん「そうですよね」 康平さん「消費減税なら、低所得者だろうが富裕層だろうが、買物する時に安く買えますよって話になるんで、これならフェアじゃないですか。別に儲かってる奴が優遇されるとかでもないし」 淳さん「ですよね~」

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