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Crazy Culture Guide Vol.374 「リアルでハード」より「幼稚でド派手」が好き!の巻

高橋ヨシキのクレイジー・カルチャー・ガイド!
BDにおけるビジュアル表現は幅広いので、「リアル・ハード」路線のSF映 画のビジュアルもBDの影響下にある、ということは可能なんですが、それ はBDが持つ豊かで広い表現のうちのごくわずかな部分に過ぎないわけで す。ではなんで「リアル・ハード」路線の方が一般受けが良くて、先に挙げ たような『エンジェル ウォーズ』や『ヴァレリアン』のような作品がいま いち評価が低いのかといえば、それは端的に言って「ビジュアルにおける、 マンガ的な想像力を受け入れ称揚すること」に対する抵抗感が(一般に)高 いからではないかとぼくは思っています。幼稚で楽しいものを「幼稚で楽し い!」と喜ぶという営為そのものが、どうしたわけか「そう喜んでいる自分 自身が幼稚と思われる」ことと直結しているのか、あるいは自分自身の中に ある幼稚性を受け入れることができないのか、はたまた荒んだ「大人」とい うマインドセットにガチガチに囚われてしまって、反射的に拒絶反応が出て しまうのか……ひょっとするとそういうことが全部合わさった結果かもしれ ませんが、いずれにせよ「ド派手でカラフルで〈幼稚な〉想像力が炸裂して いる」映画群は「リアルでハードな〈近未来〉」というカウンター相手に苦 戦を強いられているように思います。

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