《抜粋》
「アメリカの2023年第3・四半期のGDP速報値」は年率換
算で前期比4.9%増と、およそ2年ぶりの高い伸びでした。しか
しながら、私たちは「過ぎ去った過去の繁栄」を見ているだけ。
かねてより、ダドリー前FRB総裁は、アメリカ経済を「アニメで
ロードランナーを追いかけるワイリー・コヨーテ」に喩えて、「ア
メリカ経済は崖に向かって突き進んでいる。米経済は過剰貯蓄と
いう支えを急速に失いつつあり、やがては崖から落ちて行く」と
指摘しています。
コロナ危機時にばらまかれた現金給付や失業給付金のお陰で、ア
メリカの家計の過剰貯蓄額は一時は2兆ドル(日本円にしておよ
そ300兆円!!!)を超えていました。
これを取り崩して消費に回すことで、ここ3年間のアメリカの消
費者は旺盛な消費をエンジョイ。この旺盛な個人消費こそがアメ
リカ経済の力強さでした。
ところが、その過剰貯蓄が今年の第三四半期(7-9月)末までに
底を突いて枯渇すると見られています!!!
この影響はでかいです!!!
アメリカ経済はワイリーコヨーテのように今後何処かの地点で崖
から落ちるように景気減速、景気後退入りしてゆくことでしょう。
さらに、10月1日からは学生ローン:3,000億ドルの返済も
始まっています。
家計の過剰貯蓄の消滅と、学生ローンの返済の始まりとが重な
って、信用力の低い低所得者層を中心に、ここに来て自動車ロー
ンの延滞率とカードローンの延滞率は急速に上昇してきています。
アメリカ経済は2023年第四四半期(10-12月)に入って
急速に減速している模様です。
早ければ、今期第四四半期には、あるいは来年2024年第一四
半期には、景気後退入りすることでしょう。
折りしも市場からのアタックで「YCC修正」へと再び追い込まれ
ている植田日銀総裁。
景気サイクル前半にインフレ退治に出遅れた結果、景気が過熱し
過ぎてしまい、サイクル後半に大急ぎで引き締めを行なったら大
失敗、今やアメリカ経済が景気後退入りしそうになっているパウ
エルFRBと、これから景気過熱が始まりそうなのでいよいよ引き
締めに乗り出そうとしている植田日銀。
今や、日米の中銀の政策の違いは、火を見るよりも明らかでしょ
う。
アメリカ経済は減速し始めれば、ドル円相場では「ドル安円高」が
始まることでしょう。
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