第287号(2023年11月3日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、
今週も【揉め事の解決法】についてお話しします。
先週号では【Mediation (調停)】と【Arbitration (仲裁)】の違い・役割についてお話ししました。
今週号ではMed-Arbの長所と短所についてお話しします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週も4つの案件を同時進行的に扱う身としては、
とても心身ともにつらい1週間となりました。
イスラエルによるガザへの空爆は激しさを増し、一部では地上部隊のガザ侵攻も始まっていることから、
被害者の数は日に日にうなぎ上りに増えるばかりです。
イスラエルサイドは10月7日以降、1400人くらいに留まっていますが、
ガザサイドはすでに8000人から9000人の死者が出ており、その内、非常に悲しいことに50%弱が子供です。
国際社会は一体何をしているのでしょうか?
イスラエルに唯一影響力を行使できるアメリカは何をしているのでしょうか?
アラブ諸国の我慢はいつまでもつのでしょうか?
そしてイスラエルの“本当の”目的は何なのでしょうか?
非常に危険な兆候がガザだけでなく、中東、アラブ社会、そしてアフリカなどでも広まり、高まっています。
ロシアによるウクライナ侵攻とその後の世界の分断は、第3次世界大戦を予想させるものと言われましたが、
今回のイスラエルとハマスの戦いの激化こそが、
歯止めの利かない第3次世界大戦へのslippery slopeになろうとしているように思います。
その裏で、これまで約20か月にわたって国際社会の注意を引き付けてきたウクライナ戦争の様相が変わってきています。
ウクライナによる対ロシア反転攻勢も、一時は優勢が伝えられることもありましたが、今は完全に戦況は停滞しており、
報じられている内容とは違って、欧米諸国とその仲間たちから供与された最新鋭の兵器も、
期待されたほどの効果を上げられていないことが明らかになってきました。
世界の目がイスラエルとガザの戦いが生む悲劇と無力感に向く中、
欧米諸国とその仲間たちによるウクライナ支援は自ずと停滞・遅延しており、
じわじわとウクライナを苦境に追いやっている感があります。
ロシアに態勢立て直しの時間的余裕が生まれる中、今後、ロシア・ウクライナ戦線でどのような帰結が待っているのか、
とても懸念しています。
携わっているコソボ問題とアゼルバイジャン・アルメニア間の緊張の高まりについては、
大きな動きは見かけられませんので今週号では触れないでおきます。
最後に中国の前首相の李克強氏が68歳の若さで急死したとの一報は、大変なショックでした。
珍しく経済学博士号を持つ理論経済派の李首相の経済政策は、首相就任当初はリーコノミクスと呼ばれ、
中国の陰り出した成長率の下支えを可能にすると評価されていましたが、
習近平国家主席の方針とは必ずしも合わなくなってきたのか、
次第にその権限を削がれていくという悲運の人であったと思います。
中国国内でも悼む声が多く上がっているようです。ご冥福をお祈りいたします。
【2-国際情勢の裏側】では、今週号もどうしてもイスラエルとハマス問題のお話がメインになりそうですが、可
能な限り、バランスの取れたお話をしたいとおもいます。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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